太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

千秋楽はどこ行った

2024-05-28 08:28:00 | 日記
子供だった頃も、若かった時代も、私は相撲が好きではなかった。
若乃花、貴乃花のブームも、まったく興味はなかった。

実家の台所にあった小さなテレビは、家に人がいればたいてついていて、それは必ずNHKだった。
夕方、祖母が何かをしながら相撲中継をみている。
子供心に、裸同然の太った人が投げ合って何がおもしろいんだろう、と思っていた。
行司の歌うような声や、とにかく相撲の雰囲気そのものが苦手だった。
相撲中継、豆腐屋のラッパ、魚やの御用聞きのオートバイの音、それは子供時代の、膨大な音の記憶の一片である。

きっかけは何だったのかわからない。
2年ほど前から、NHK Worldで相撲中継をみるようになった。
ひとつの場所が15日間というのも、今になって知った。
期間中は夕方の6時半から、30分の大相撲ダイジェストがあり、そのあとで2分ほどの相撲ぺディアという豆知識がオマケでつく。

観客席の決まった場所に毎日陣取っているオッちゃんがいて、
「あ!今日はオッちゃん、おしゃれじゃん」とか、「オッちゃんがいない、具合でも悪いのかね」と心配したりするのもおもしろい。
横綱になるのは大変だけれど、なったらなったで、負けられなくなるというプレッシャーが辛いだろうなと思う。
前場所では新人が優勝して、そういうどんでん返しも勝負の世界ではある。

私と夫の贔屓はHOSHORYU(何もかも英語なので、名前の漢字がわからない)
モンゴル人だけど、引き締まった体と、気合に満ちた表情が良い。
彼にはぜひ横綱になってほしいと思う。
URAは、見るからに人がよさそうで好き。
ATAMIFUJI(熱海富士、か)は静岡出身の新人で、応援している。

さて、5月場所もそんなわけで毎日6時半を楽しみに観戦していた。
ついに千秋楽。
前日にうっかりNHKニュースをつけてしまったら、日本では既に終わっているので結果を放送しかけていて、あわててチャンネルを変えた。
そうして迎えた千秋楽。
早めに夕食を済ませ、6時半をジリジリしながら待って、テレビの前で正座をするようなものものしさでNHKにすると、なんだか様子が変だ。
画面下の表示には、SUMO と出ているのに、やっているのはニュースの続きで、韓国と中国と日本がどうしたのこうしたの、とやっている。
臨時ニュースのようで、きっとこれが終われば相撲なのだろうと我慢していると、
次は屋久島の自然番組が始まった。
画面表示は相変わらずSUMOのまま。

「おい!千秋楽はどこ行った!!」

14日間、この日を楽しみにみてきたのに、肝心かなめの千秋楽を平気で飛ばすとはひどすぎる。
外国でみてる人なんかいないっしょ、とでも思っているのか。


私が大相撲を楽しみにするようになるとは、夢にも思わなかったことである。

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