太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

天使に出会った実話24

2024-08-06 07:37:16 | 天使に出会った実話
Carmel reilly 「With angels beside us」より

Holly 40

私は天使とか、そういった類の目に見えないもののことをまったく信じていなかった。死にかけるまでは・・・
あるとき、私は急に気分が悪くなり、視界がどんどん暗くなって意識を失ってしまった。一緒にいたボーイフレンドが救急車を呼んで、私は病院に運ばれた。あとでわかったことだが、私の血管にある血栓が血管を圧迫してしまったのだそうだ。

気が付いたときは病院のベッドの上で、何人もの医者と看護師が忙しく動き回っていた。すぐに意識が薄れたと思ったら、私は自分の体を上から見下ろしていた。
心臓マッサージをする医者、他の機械を運んでくる看護師を部屋の上から眺めていたが、興味を失ってしまい、私は部屋を出て廊下にふわりと出た。
もし空を飛べたら、街の上を飛んでみたいと思っていたことを思い出し、窓から外に飛び出した。
夜空はとても美しく、私は病院を遥か下に見下ろし、街の明かりがまたたくのを見ながら空を飛んだ。

ふと見上げると、星空のかわりに、まぶしく輝く白い大きな穴が見えた。
私はどうしてもその穴の中に入っていきたくなって、そちらに向かったが、誰かが私の腕をつかみ、引き戻した。振り向くと、天使がそこにいた。
その天使には羽がなかったが、その美しさと叡智の表情で、間違いなく天使だとわかった。
私は彼女に、あっちへ行かせてと言うと、彼女は、まだその時ではないのだと言った。
その時が来るまで、あの穴はちゃんとあそこにある、私にはまだ人間界でやるべきことがある、と言う。

彼女は私を引っ張って下に降りていき、気が付くと病院のベッドの上にいた。
意識が戻った当初は、あの穴に入れなかったことが残念で仕方がなかったが、しばらくすると、生きていてよかったと思った。
確かに天使は正しい、私にはまだここでやりたいことがたくさんある。

私はもう、死ぬことをまったく恐れてはいない。
私がいくときがきたら、あの穴の中に入っていけることを知っているのだから。







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