前回の続きです。
これも前回と同じく2階の部屋の戸袋か何かの絵です。ブドウの絵でしょうか?藍色の濃淡がすてきです。
大河原は、仙台市から鉄道で30分?程度で行けます。たまたま今回、3日間の「佐藤屋邸」の開放の日に当たり、私は初めて拝観することができたわけです。
観光地化されていないため混雑しておらずゆっくりと味わうことができたのではないかと思います。そしてこんな素晴らしい場所が普段眠ったように存在していることがもったいないように思いました。
(当日は、大学教授をなさっている?代目の御当主が教え子の留学生の方々に英語で説明している姿がありました。コーヒーをいただきながら学生さんは熱心にご覧になっていましたよ。)
御当主は現在他の土地に住んでいらっしゃいますが、現在までこの立派な屋敷を維持するためには、それなりのご苦労をなさっているかもしれません。建物保存のためのカンパのを募っていましたが、その価値は充分にあると感じてきました。(保存会があるのかもしれません。)
津波で多くのものを失ってしまった宮城県ですが、今まで気づかなかったこのような文化的な価値のあるものが存在していることに、何かとてもほっとしました。京都や鎌倉ではなく身近な所に日本の粋を極めた技術や芸術が息づいていることは昔を忍び学ぶための大事なきっかけになります。
未来を考える上での貴重な遺産だと思います。
ともあれ、私たちは、1階の庭園を望む大広間の続き間を拝見した後、洋間に足を運びました。その途中で見られる長い廊下の端から端までの空間。床がつるつるでてらてら光っています。
そして洋間では、小型のハープの演奏が行われる予定になっていました。大正時代の洋館の造りのようでしっとりとした落ち着きが感じられます。
2階に行こうとするともちろん木製の階段です。木製の手すりや踊り場の壁の額の絵...木の床の足ざわり...一歩いっぽがレトロで日本の行き届いた技術の賜物のようでありがたい気持ちになりました。
2階はまたまた、珍しい竹(希少な)で造られた床の間の床柱から天井、そして2階にぐるりと回された廊下とそれらの建具の見事さ..障子を通す光の柔らかさ...。中庭の植栽も見事です。私たちの年齢もものは心が安らぐ人が多いのではないでしょうか?でも子供たちや若い人たちにこそ見てほしいと思います。
「心の豊かさ」で人は力が湧いてくることがあると思います。「佐藤屋邸」はそんなお屋敷でした。
石巻にも、私が知らないで過ごしてきた歴史的なものがあるように思います。これから少しづつでよいからそういうものに触れていければと思います。
(ちなみに、1階の緋毛氈に座していただいた菓子も素敵でお茶も大変おいしくいただきました。)
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