石巻白梅ししの会便り

石巻のためにできることを一緒にしようね!!

石巻訪問ーどんぐりさんからのお便りー

2022年05月28日 | お便り

                   写真は石巻市博物館内

 

どんぐりさんからお便りが届きました。

久しぶりに訪れた石巻の様子を送ってくれました。

さっそくご覧ください。

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不幸があって、何年ぶりかで石巻に行った。

あわただしく、見たいところをタクシーで回った。

  • 仙台で

仙台駅で新幹線を降りて一度外に出たら、仙石線の駅がわからなくなった。駅の端っこだと思ったのに、駅の中央寄りに石巻ライナーの乗り場があって、右往左往した。

震災のあとは松島のあたりは、海岸線を走らないことにしたようだ。松島海岸に降りるには、乗り換えるのか。

 

  • 石巻に着いて

石巻について、駅のタクシー乗り場に直行して「博物館へお願いします」と言ったら、「わからない。それどこにあるの?」と返事が返ってきて面食らった。あの建物全体をなんて言ったかなあ。

「まきあーとのこと?」と言われて、そうそうそれ、となって発車した。

どうなっているのよ、宣伝不足だねえ。せめてタクシーの運転手さんには知らせておいてほしいねえ。

あとで博物館で聞いたところによると、東京の大学の学長さんを、博物館へと言われて震災前に文化センターがあった浜のほうにお連れして降ろしたそう。それはあまりにひどいよね。あきれられるよねえ。

 

  • 石巻市立博物館

博物館の常設展はこぢんまりとしていたけど、高橋英吉の彫刻と石巻ゆかりの人々のコーナーと毛利コレクションを見てきた。千石船を見なかったけど、そのコーナーを見落としたらしい。毛利コレクションのアイヌの衣装は模様がステキだった。衣装は時代を経てきたことを表すようで色のクスミがあったが、アイヌの人々の豊かな感性を感じさせる。青森で見てきたものはもっと鮮やか紺と白だったように思う。ゆっくり味わっていられないのは残念だった。

 

珈琲工房いしかわでコーヒーをいただいた。

 

  • 伝承館

そのあとタクシーで博物館に来た方が降りてすぐそれを利用して、南浜津波復興祈念公園へ。やはり移動するにはそのたびにタクシーを利用しないと動けない。公共交通機関がないんだねえ。

石巻震災遺構の門脇小学校を横に見ながら公園内の伝承館へ。

天気のよい日だったので空の色は青く、景色は遠くまでよく見えるが、ここまで海を全く見ないで来た。

波の音も聞こえないし、海の風も吹いてこない。

しかし雲雀野海岸と言われるだけあって、ヒバリの声がにぎやかに聞こえる。

すごい。それだけは心和む声。

丈の低い草原が広がって、そこにいくつか巣があるのだろう。

伝承館の中は、順路に沿って見て行くと、よくわかる構成になっていた。

窓から見えるのが海をさえぎる丘というのが残念だったが。

外に出て北を見ると小さく門脇小学校が。そこまでけっこう距離がある。

西を見ると日本製紙石巻工場の煙突が、白い煙を吐いている。

南は丘。海は見えない。

 

またタクシーを呼んで、次の予定地へ。

 

  • 自然の驚異はまた起こる

地震・津波から10年以上たって、こんなに変わったんだと肌で感じた一日だった。

だが、今年3月の震度6の地震は、11年前の地震と津波を思い出させ、石巻の人々の心を震え上がらせた。新しい災害予測は10年前より深くまで水が入るそうで、そのうちハザードマップが出るそうだが、厳しい現実が見えてくる。

1000年に1度の災害と言われたのに、それ以上の津波がやってくる予測とは……。

そんなことを考えると、海の町はつらいねえ。

 

上の写真は現在の旧門脇小学校。

先日から、震災遺構として公開されています。

写真は石巻駅です。

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どんぐりさん、お便りありがとうございます。

何年かぶりで訪れた石巻にいろいろ驚いたり戸惑ったりだったようですね。

言われてみると、確かに石巻はちょっとのんびり(?)しているような面もありますよね。サービス精神が少ないというか・・・。

急ぎ足で回られたようで大変でしたね。普段生活している東京との違いを感じてしまったことでしょう。

今度もっとゆっくり過ごせれば、現在の石巻の良いところを発見できるのではないかと思います。

東日本大震災はまだ爪痕を残していますが、その後世界的に様々な災害や厄災がありさらに人災ともいえる戦争までも起こり、本当に時代が変わってきているように思います。

先日は、震度6の地震の後、避難袋の点検をしてみましたが、第一避難のリュックに入る容量は少なく、重いものは入れたくないと思ったりし、これで安心などとは思えませんでした。

でも、これは長い歴史の中で人類が今まで通過してきたことなのですよね。

「備えあれば憂いなし」と心構えをしていきたいものです。