(この写真はイメージです。)
この穴の大きさは直径4㌢。
この穴を覗く人は1人。
時間は3分~10分。
覗けるのは午後1時~5時。
期間は6月中旬から7月26日までの毎週日曜。
1時間当たり1~3回。
会場 「石巻のキワマリ荘」
入場無料。
要予約 連絡先は「石巻劇場芸術協会」 ☎ 090 (3983) 2121
河北新報(令和2年6月23日)で面白い企画の舞台上演のニュースを見たのでお知らせします。
現在国内では、新生活様式として「三密」を避けることが前提の生活になっています。
石巻にもコロナ禍は襲っています。
そこで、それを逆手にとって企画されたのが「覗き穴劇場」です。
「穴から見る新たな演劇」と題しての記事です。
市内中心部にある木造2階の民家を改装したアートスペース「石巻のキワマリ荘」において、4畳半の部屋に木製の仕切りを置き、観客は仕切りに開けた直径4㌢の穴から舞台を覗く。(つまり、穴の向こうは舞台で演劇が行われているのです。)
観劇可能人数は1公演につき1人。上演作品も1人芝居か2人芝居で、時間も3~10分と短く設定することで、長時間の密集や密閉を回避します。
期間中計4作品の上映を予定しており、作品紹介の意味も兼ねて事前収録した動画を、上演1週間前からオンラインで配信します。
6月14日の上演作品は「忌(き)」で東日本大震災の石巻で暮らす夫婦の日常生活を表現した戯曲で、当日が初演。事前動画とは展開を変え、生の舞台の魅力をあらためて感じてもらえるように工夫を凝らしたそうです。
新たな試みに挑戦した出演女優の三国裕子さん(69)は、「コロナのため舞台ができず打ちひしがれていたが、思いがあれば伝わるという演劇の基本を実感した。新しい手法で表現の場をつくってくれてありがたい」と話していたそうです。(三国さんはたしか白梅の私たちの同級生です。頑張っているのですね。)
観客の反応としては、「最初は気恥ずかしかったが、役者の表情がはっきり見えてエネルギーが伝わってきた」とか「自分1人のために、大勢を前に上演するのと同じクオリティーで演じてくれて、ぜいたくだった」など感激した様子だったようです。
石巻では2016年から、演劇で地域を活性化させる「石巻演劇祭」が開かれていて、今年も11月に5回目の開催を予定していたがコロナ禍で来年に延期にせざるをえなくなってしまったそうです。
演劇祭に関わってきたメンバーが「石巻の演劇のともしびを絶やさない」と新しい芝居の形式を考案したのです。
演出した矢口隆太代表はコロナの時代にできる演劇の可能性を模索したと語っていたそうです。
「覗き穴劇場」の発想は新鮮ですよね。ちょっとスリルも感じるし、現在の状況ではまさにケガの功名のような思い付きだと思います。ナイスアイディアですね。
石巻で以前開催されたリボンアートフェスティバルでの芸術作品の一つを思い出しました。(以下の写真)
この楕円形のような形の物も作品として置いてありますが、表面の白く見える穴をのぞくと、
中にこのような美しい模様の作品が見えるのです。
「覗き穴劇場」の上演作品のオンラインでの紹介、そのうち見てみようと思います。
みなさんも良かったらどうぞご覧になってみてください。