ご無沙汰しております。
東日本大震災から10年経過の今年となりました。
一口に10年と言っても、この10年は誰にとっても変化の多い時の流れと言えるのではないでしょうか?
当たり前に年齢を重ねる中で個人的には、身体の変化を認めざるを得ませんが(特に私たちの年代)、日本や世界の中の変化が大規模に起こってしまっています。
新型コロナにワクチンが開発され猛烈な勢いで接種が行われ始めているとは言え、予断を許さない状況が続いています。(時にオリ・パラを2か月後に控えている日本では)
そんな中で、どんぐりさんから久しぶりにお便りが届きました。
さっそく紹介いたします。
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お久しぶりです。
今年は、東日本大震災のあとに石巻から連れてきて同居していた母が、入院を繰り返して、とうとう立てなくなったので、施設にお願いすることになり、先日入所が完了しました。
このコロナ禍の状況の中でなかなか会えないことではありますが、母にとっても、10年間介護を手伝ってくれていた夫と私にとっても、最善の選択となりました。
入所の用意をするため、母の持ち物を整理していて、母が持っていた親戚のおじ(叔母のご亭主)の写真集を見返しました。懐かしい石巻を振り返るためにと、その方がプレゼントしてくれたもので、震災の前までの写真が20枚ほど入っていました。
そのとき私も見た覚えがありますが、ゆっくり眺めたことはありませんでした。
ところが10年もたつと、それは震災で立ち切られた懐かしい過去の石巻の風景なのです。私は18歳までしかいなかったのですから、石巻の印象は薄く、その風景もあまり記憶にないのですが、マスコミの人が撮った写真にない、地元の人が撮った温かさがある風景写真なのです。
早速それで見本帳を作り、おじに送って写真集にしないか聞いたところ、「88歳だよ。写真はフィルムもなにも全部捨てたよ」と言うのです。子供たちに迷惑かけたくないのですべて断捨離したと言うのです。なんと潔いこと。
私の提案は受け入れられなかったのですが、せっかくの石巻の写真ですから、ここで何枚か紹介させてください。こんな石巻があったのかというような風景なのです。
撮影者©は佐藤瑞夫氏。日付けはわかりませんが、すべて震災前の風景です。
① ふるさと雪景 (日和山から中洲方面を眺める)
② 冬の追波川 (旧北上川)
③ 西日を浴びてカヤ刈り
④ 秋深し 鮭遡上
⑤ 石巻市脇谷閘門 (北上川)
⑦ 朝日の中でサンマ干し (女川港)
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本当に今その場所にいるような気持ちになるような心が和んでくる写真ですね。
あの頃の平和で落ち着いた時代を懐かしく思います。
皆さんもどうぞゆっくりご覧くださいね。