坂本先生から、カロの版画についてお話を伺うことが何度かあった。
鋭い観察眼でものの形をとらえ、超絶技巧で、たくさんの作品を残している。
人物はわずか 2センチ。実物の版画を見て「こんなに小さかったのか」と驚いた。
それまでの銅版画はエングレービングという彫具は、詳細な描写には欠かせないとされていた。
カロは、その使い勝手に満足せず、エショップという針状の彫具を考えた。
それによって素早く繊細な描写による独自の表現をした。
わずかな線で人物の動きや羽飾りの揺れを感じさせている。
生涯の作品数は1400点とも。素早い描写力がそれを可能にしたのだろう。
クロッキーのような軽やかさは大きな魅力。このような表現をしたいと、強く思う。
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