徒歩旅行、世界一周、3万4千キロ

過去の世界徒歩旅行の記録を紹介

12、シンガポールからヨーロッパまで歩く(バングラデシュを歩くまで)-116

2010-12-14 07:26:06 | 世界徒歩旅行記

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日本をはじめアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドそしてシンガポールからヨーロッパのポルトガルまで歩いた旅行記です。
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12、シンガポールからヨーロッパまで歩く(バングラデシュを歩くまで)-116

5)バングラデシュを歩くまで

日記から-6

2月8日 (水曜日) 曇り

  昨日、ダッカを離れて田舎に来て本当に良かったと思う。
それに昨日の夜はこの回教の国ではあるがヒンドゥー教の祭りがあった。
その祭りでは神であるいろいろな人形を見ることが出来ただけでなく、太鼓、踊りがありまた、楽しくなるような音楽まであった。

 今日の午前中は隊員の仕事を見て、時間をゆっくり過ごす。
俺は土木系の学科だったので、特にその中の農業土木は興味が沸いて来た。

 午後からは隣の町のヒンドゥー教の祭りも見に行く。
いろいろな神々の人形があり、綺麗に作った物、カラフルに作った物と非常に興味深い。
この祭りに連れて行ってくれたのは香西さんで、彼はこの祭りが非常に好きである。
彼の趣味でこの祭りを見に来たようなものであるが、俺も嫌いではない。
この辺はガンジス川の河口に当たるので、土壌が土というより粘土に近い。この土を利用して作った人形である。
また、この辺の家々はこの粘土の土を使った家である。昼の暑い時間にその土の家に入ったのだが、中は涼しいのである。
そればかりでなく、その家は隙間がなく清潔であり、家具などもないからか、ゴミが溜まる所がないのである。
それに床は良いつやを出し光ってもいる。床を拭くには少し水を含ました布で拭くと新しく作った床のようになる。
屋根はもちろん藁葺きのもので、懐かしい感じの良い家である。

 隊員の家に来て一つ感じたことは必ずお手伝いさんがいるということである。
前は人が人を使うということはいいこととは思っていなかったが、考えてみると彼ら(彼女ら)はこの様に働かなかったら仕事がないのである。
ここのお手伝いさんはダッカの町で貧しく働いていた12歳の男の子を連れてきたそうである。
彼が学校に行きたいということでここに連れて来て、働きながら学校に通わせているのだそうだ。
その子はダッカで朝から晩まで働いて一ヶ月80タカで働いていたそうである。
とにかくここバングラデシュでは仕事がなく「何でもいいから働きたい」と食べるために必死である。

 それにしてもお手伝いさんは一緒に食事は出来ないばかりではなく、一緒に座れない。
これはこの国のルールであるようで何ともいえないが、時代の流れで変わって行くことであろう。
それを期待する。だから今はとやかくは言わない。

それにしても、何だかバングラデシュ人々がだんだん好きになって来たようだ。

出費 60タカ