伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

神様のカルテ 1~3

2024-05-25 23:25:35 | 小説
 信濃大学医学部を卒業後松本市内の「24時間、365日対応」を掲げる病床400床の本庄病院に勤務する5年目・6年目の消化器内科医栗原一止が連日の長時間勤務を続けながら地域医療、救急医療に従事する日々を描いた小説。
 医師の過酷な勤務、助けることのできない患者にどう対応するか、医師の良心とは何かなどを問題提起し、2巻では家庭生活、家庭責任をどう考えるのか、3巻では日進月歩の医療を学ぶことなく目の前の診療に追われて最新の知識を持てない状況で診療に当たることの是非という困難なテーマをも扱っています。
 一止の妻ハル(榛名)の明るく健気な様子にほのぼのさせられ、こんなにも妻に愛されていれば、あらゆる困難にも立ち向かっていけるかと思わせてくれます。まぁこれで家庭を顧みないと妻から離婚を言い渡されと(ふつうならそうなりそうですけど)なると、ジュンブンガクになってもエンタメにならないですもんね。
 1巻の最初の方で、デジャヴ感があって、あれ読んだことあったかと自分の読書記録を確認したら読んでない。おかしいなと思ったら、2011年に映画になったのを見てました。そのときは原作読まなかったんですね。今回は、「スピノザの診察室」を読んだ流れで前作を読んでみました。
 スピノザの診察室では京都銘菓の紹介が多くありましたが、こちらでは信州の地酒の数々が紹介されています。酒も甘みもいける作者なんですね。


夏川草介
神様のカルテ 小学館文庫 2011年6月12日発行(単行本は2009年9月)
 2010年本屋大賞2位
神様のカルテ2 小学館文庫 2013年1月9日発行(単行本は2010年10月)
 2011年本屋大賞8位
神様のカルテ3 小学館文庫 2014年2月11日発行(単行本は2012年8月)

1巻が240ページほど、2巻が360ページほど、3巻が470ページほどと、どんどん本が太っていくのはどうしたことか…

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