伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

木星・土星ガイドブック

2020-06-29 21:11:26 | 自然科学・工学系
 ジュノー、カッシーニ等の近年の探査機による探査結果などを踏まえて、木星と土星、その衛星について解説した本。
 木星、土星や衛星の姿について説明されていることがどこまで確実なものなのかは、私には判断できませんが、探査機による木星と土星の衛星(現在では木星の衛星は79個、土星の衛星は82個確認されているとか)の写真が美しく、それを見るだけでも得した感のある本です。木星と土星の本星はガス惑星ということで分厚い気層/雲の外側しか見えず、探査機の写真でも宇宙望遠鏡の写真とそれほど違わないのですが、衛星は地表の様子がくっきりと見えて、感動的です(土星最大の惑星タイタンも、分厚い大気層があるので探査機本体からの写真はぼやけた感じですが、地表に降り立った「ホイヘンス」の画像で地表の様子が見えます)。
 木星の南半球に見られる「大赤斑」について、「1800年代後半には楕円の長径が約4万km(中略)、それが1980年頃には約2万3300kmになり、最近では今までで最も小さい約1万6500kmまで縮小した」とした上で「これは1年間に約1000kmのペースで縮小している計算だ」(46ページ)というのですが、どう計算したらそうなるのでしょう(長径で見るなら1桁違いでも合わなくて、1年間に約100マイルならなんとかよさそうではありますが)。88ページの「膠着円盤」は「降着円盤」の誤り。変換ミスですが、天文の専門用語の見落としは痛い。「はじめに」で編集者に謝辞を述べているのですが、出版社(編集者の所属会社)名を「恒星社恒星閣」とする変換ミスが見過ごされています。著者も、ですが、編集者、そこ気づかないですか。


鳫宏道 恒星社厚生閣 2020年2月10日発行
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