伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

キリストと性 西洋美術の想像力と多様性

2024-02-12 23:33:14 | 人文・社会科学系
 キリスト教における「性」の扱い、イエスとヨハネ、イエスとユダ、さらにはマリアとイエスの性関係の示唆、異性装、聖痕と女性器のアナロジー等について論じた本。
 「キリスト教は性をめぐって、わたしたちが思っているよりもはるかに多様で豊かな想像力を育んできたのではないか」という問題意識ですが、「それが顕著にみられるのは、正当とされた教義や神学のなかというよりも、異端として排除され、民衆のなかで生きつづけてきた信仰とそれに関する美術においてである」(はじめに)とされてしまうと、そりゃあ異端とか「キリスト教系」新興宗教なら性的にオープンというかフリーセックス系のものもあって当然じゃないかと思ってしまいます。本文でも、福音書の中にイエスとヨハネのBL関係を示唆する記述を探すような場面や絵画でもダ・ヴィンチやジョットー、デューラー、カラヴァッジョあたりの絵にそのような痕跡を探すところは興味深く読みましたが、文学作品や「作者不詳」の絵、さらには近年の映画(ジーザス・クライスト・スーパースターとか)に性的な傾向や逸脱を見ても「だから何?」と思えてしまいます。


岡田温司 岩波新書 2023年10月20日発行


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