今日の食鳥業界

国産鶏肉の香港輸出 拡大への期待

 ジェトロ香港事務所のレポートによると、香港市場での日本産肉類に販売状況と今後の動向について、「香港における2016年の日本からの牛肉輸入は過去最高を記録し、和牛人気が高まっている。その一方でこの人気の高まりに十分に対応できない日本の生産者も少なくない。日本からの鶏肉の輸入も好調だが、豚肉は前年比減だった」としています。香港における鶏肉輸入先はブラジルが2016年実績で全体の31.9%、米国が30.8%、中国が22.6%を占め、上位3カ国で85%を占めています。鶏肉の輸入金額合計は前年比6.2%増の97億7357万香港ドル(約1417億円)で、数量ベースでは8.7%増の78万7945㌧でした。日本からの輸入は数量で前年比28%増の7483㌧、金額で前年比41.6%増の1億1183万香港ドルで、全輸入量の1.1%を占めています。数量、金額で輸入先の9位という位置にあります。香港では日本の自治体や農業団体などが銘柄和牛を中心にプロモーション活動を小売店や日本料理店、焼き肉店などで個別に行っていましたが、昨年12月に開かれた「香港フードフェスティバル」や8月開催の「フードエキスポ」で、日本畜産物輸出促進協議会がオールジャパンとして出展し、牛・豚・鶏肉などのPRを行い、同協議会の鶏肉輸出分科会(事務局・日本食鳥協会)もセミナーや試食デモを行うなど、PR活動が本格かしています。日本産の鶏肉の銘柄数と販売量は和牛に比べてまだ少ないですが、今後の普及のためには、銘柄牛のブランド名や規格が定められている和牛に比べ、鶏肉は地鶏など特定銘柄は存在するものの、和牛に比べると、その種類や特徴、他国産との味の違いに対する香港の消費者の認知度が高いとはまだ言えない、と指摘しています。また香港から日本を訪れる観光客数は増加傾向にあり、日本のおいしい地鶏や豚肉を食し、香港に戻ってきてそれらを求めるニーズが今後増えていくことが期待されているとし、また最近香港では和牛をメインにした焼き肉店や日本スタイルの焼鳥屋が増えてきていると、日本産鶏肉の開拓市場の環境も整いつつあると指摘しています。さらに、3月のブラジル産食肉問題で一時同国からの輸入がストップした影響として、安全性の評価が高い日本産肉類へのニーズがこれまで以上に高まる可能性もあるとレポート。一方、日本産ではHPAI 問題で発生県からの輸入がストップしたこともあるように、安全な鶏肉の継続的かつ安定的な供給の確保が課題とも指摘しています。いずれにしろ、今後の日本産鶏肉の海外マーケットへの足がかりとして香港市場の開拓は期待がもてそうです。

5月9日(火)の食鳥卸売相場(東京)は
◆「もも肉」が前日より3円高の657円
◆「むね肉」が同1円高の338円
■「正肉相場」は同4円高の995円でした。
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