メキシコシティに着くと、長い長い入国審査の列に並んだ。
メキシコに入国して、次は飛行機乗り換えだ。
乗り換えターミナルの掲示板に行ったが、次に乗る飛行機の搭乗口の欄が空欄。
近くに空港スタッフがいる。
彼らは二人とも車椅子だ。
車椅子の人が、普通に働いている。
一人の方に、
オラ。
と、言ってみる。
ドンデ ミ ゲート?
ドンデ どこ。
ミ わたしの
ゲート は、搭乗口のつもり。
英語でも、スペイン語でも、その辺の言葉を組み合わせて、言いたい事を言ってみるのが面白い。
伝わっているのかいないのかは、数撃ちゃ当たる方式。
とにかく、いろいろ言ってみる。
しかし、運良くうまく伝わったとしても、
たいていは、返ってくる相手の言葉がなんて言ってるかわからない!!
全く一人よがりの異文化交流なのである。
スペイン語話せる?英語話せる?
スタッフに、聞かれる。
ノ~!ノ~!!話せない。
さっきの入国審査でも貫いた。
世界には、英語とスペイン語だけじゃないのを知らしめなきゃいけない。
話せなくても、堂々といく。
困ったね。
まだ、搭乗口は出てないから、3時にまたここに来て。
と、言われたみたいだから、ありがとうと言って、待合場所に移動。
気がつくと、列に並んでいた日本人たちが誰もいない。ツアー客もけっこういたのに、みんなカンクン方面に行ってしまったらしい。
一人旅慣れしたお友達が、
日本人なんてどこにでもいるから大丈夫。
と、言っていたけど、いないぞ。
と、思いつつ、全然ビビッていない自分に気がつく。
メキシコの人たちが、褐色の肌に黒い髪と目。どこか、日本人と親近感を覚えるからかもしれない。
わたしなんて単純だから、外国人と言うと、金髪青い目をすぐに思い浮かべてしまっていたけれど、
実際、世界のパーセンテージで言うと、アングロサクソンの人々の割合はそんなに多くないんじゃないの?
待合場所ではみんなダラダラしている。
携帯の充電のスポットがある。
日本で調べてきた無料Wifiにはいるやり方をやってみる。
繋がった!
さあ、これで、なんとかなる度が高まった。
そうこうしているうちに、さて、3時。
さっきの場所に、行ってみる。
まだ、搭乗口の欄は空欄。
他の飛行機の搭乗口の欄は次々とうまっていく。
わたしの乗る飛行機だけが、不明!
どうしたら、いいの!!??
さっきのスタッフに、もう一度声をかけると、
インフォメーションカウンターに連れて行かれる。
そこで、また、いろいろ言ってみる。
搭乗口が決まってないってどう言う事さ。
飛行機飛ぶの飛ばないの?
わたしは乗れるの乗れないの?
日本人ですか?
ふいに日本語がした。
隣でスペイン語でスタッフと話していた青年の口から、日本語が!!
おおお!
結局また、どうにかうまく行っちゃうんだわ、わたし!