一条戻り橋から東へ90m。南北に伸びる道を小町通といいます。
一条通堀川東入二筋目西北角に「小野小町双紙洗水遺跡」の石碑があります。
かなり背の低い石碑な上、植木に隠れていたので、場所がわからず、何度も通り過ぎてしまいまました(..;)
正面には「小町通」、側面に「小野小町双紙洗水遺跡」の文字が刻まれています。
かつてこの地で、小野小町と大伴黒主との歌合せが行われました。
狩野探幽『三十六歌仙額』
対戦相手の大友黒主は、小町相手には勝ち目がないと思い、前日小町の邸に忍び込んで、小町が和歌を詠じているのを盗み聞きします。
そして、小町が歌を記した草紙に加筆し、『万葉集』を盗作したように見せかけました。
しかし、小町が庭の井戸水で草子を洗うと、後から書き加えた歌の文字が流れ消えたといいます。
小町が草紙を洗った井戸がこの辺りというので、「小町通」と名づけられ、昭和初期までは井戸も残っていたといいます。
Wikipediaによると
『草子洗小町』は、能の演目の一つで、三番目物、現在鬘物、大小物に分類される。歌合を舞台に小野小町が、大伴黒主の奸策を機知によって退ける様を描く。
大伴黒主(ワキ)は、歌合で小野小町(シテ)を相手にすることとなった。しかしとても勝ち目がないと考えた黒主は、歌合の前日、小町の邸に忍び込み、小町が明日のために詠んだ歌を盗み聞きする。
歌合当日、紀貫之(ツレ)を初め歌人たちが居並ぶ中で小町の歌が詠み上げられるが、黒主は「その歌は既存の古歌である」と難ずる。証拠として黒主が取り出した『万葉集』の草子には、確かにその歌が書き込まれていた。前日小町の歌を盗み聞いた黒主が、予め書き足しておいたのである。
窮地に立たされる小町だが、黒主の入れ筆と見破り、許しを得て水を以ってその草子を洗う。するとたちまち黒主の書き足した歌は消え失せ、彼の悪事が明らかとなる。全てが露見した黒主は自害しようとするが、小町はそれをとりなして、祝言の舞を舞う。