満足いくラーメンランチの後。
尾車氏と私は、ルノーのお店を訪れた。
ターゲットは「メガーヌGT」(7AT:税込車両本体価格3,399,000円)。
我が家の家計的には、やや無理をすれば、手が届く範囲内の、価格帯のクルマだ。
ボディカラーの「ブルー アイロンM」が、フレンチブルーピクニックな感じで、大いにヨイ。
「RENAULT SPORT」のロゴが眩しい、スカッフプレート。
大きくしっかりと造られたハイバックシートに身を預けると、気分はそこはかとなくレーシーに。
ブラックを基調に、そこここに配された、ブルーステッチ&イルミネーション。
操作系では、空調関係をタッチパネルではなく、「ダイアル&プッシュスイッチ」としたのは、ルノーの見識でありましょう。
上方のタッチスクリーンは、エンジン特性及びトランスミッションの変速タイミングを、「コンフォート」「スポーツ」「ニュートラル」そして自分好みにセッティングした「パーソナル」の4つのモードから選べるという、「ルノー マルチセンス」なるセレクトスイッチ。
確かに、モードごとに劇的に走りの特性は変化するが、自称MT派の私としては、なんとも「無用の長物」感が、否めない。
大橋巨泉氏も、もしご存命だったならば、「MTならこんなモノいらない!」と、言ってくれるであろうと、想像する。
さて、試乗時。
セールスマン氏に「右ハンドルの左ウインカーに、慣れていらっしゃいますネ!」とセースルマン氏にお褒めの言葉をいただき、やや有頂天になっていた私。
だがしかし。とっさの車線変更の時に、思わずワイパーを動かしてしまい、結果、照れてジンジン状態になってしまった。
まあ、それはさておき。
その決して過敏ではなく、さりとてダルでもない、じつにニュートラルな舵の効きは、クルマ好きというか運転好きならば、大いに響く味付けといえましょう。
ただし。このフランス車のその脚は「ドイツ車的に固目」で、「深いストロークで猫のようにしなやかに走る」といった感じではなかったことを、一応、申し添えておこう。
とはいえ。「種々に変化させることのできるメーターパネルやインテリアのイルミネーション」に、コンコルドを作った国である「おフランス」の遊び心を、濃厚に感じることはできる。
1.6リッターターボエンジンは、なんと205PSを発揮!
225/40R18のファットなシューズは、それを余裕で受け止める。
ひょっとしたら「4コントロール」と呼ばれる4輪操舵システムが、その手助けになっていたのかもしれない。
今回、かなりRのきつい(R15とか)の山道も走らせることができたのだが、私は安全運転に徹した走りをしていたので、その効能を身を持って実感するには至らなかった。
冬のスリッピーな路面だったら、ひょっとしたら鈍感な私にも、その効果を体感できたかもしれない。
荷室は、掃き出しではないが、充分な広さ。
だがしかし。
床下にはスペアタイヤを置くのに十分なスペースがあるのに、デフォルトでは「パンク修理キット」。
その辺は、妙に日本のニーズというか趨勢に媚びたようで、個人的にはとても残念。
さて、この「メガーヌⅣ」。
どうやら、よりベーシックなグレードである1.2Lターボの「GT-Line」の方が、私好みでありそうな予感がする。
また、このクルマのスタイリングを含めた全体的なイメージは、トヨタのオーリスあたりと被る。
もうすぐ登場するといわれる次期オーリスは、いったい、おいくらくらいで販売されるのであろう。
もしも許されるならば、次期オーリスとメガーヌⅣを、淡々と比較試乗させていただきたいと、私は願う。