スバルXVに試乗した後。我々取材班3名は、トヨタの日欧戦略車である「オーリス」に逢いに行った。
「欧州カローラ」と表現できそうなこのクルマ。インプレッサとアクセラがガチンコのライバルと思われる。
試乗させていただいたのは、「RS Sパッケージ」(1.8L・DOHC:税込車両本体価格226万8900円)だった。
2連メーターの質感は、なかなか上々。マルチインフォメーションディスプレイ内の平均燃費の表示は、9.8km/Lを表示していた。
インテリアデザイン全体についていえば、むしろ先代オーリスの方が個性的で、新型は若干コンサヴァティヴになってしまったという印象は否めないが・・・
RS系のカタログ上のJC08モード燃費は14.4km/L。しかも、ハイオクガス仕様である。
ちなみにカタログ上で比較すると、「インプレッサ スポーツ 2.0i 2WD(CVT)」(2.0L・DOHC:税込車両本体価格185万8500円)のそれは、17.2km/L。「アクセラ スポーツ 20C-SKYACTIV(6AT)」(2.0L・DOHC:税込車両本体価格190万円)のそれも、17.2km/Lなのだ。インプレッサもアクセラも、当然レギュラーガス仕様。カタログ上で推測するに、新型オーリスのRS系については、燃費に関するアドヴァンテージはほとんど無いと推測される。
また、あくまでもカタログ上の数値ではあるが、FFインプレッサの燃費がスカイアクティヴ・アクセラと同じ数値であることは、もっと着目されてもいいポイントだと、私は、地味に思う。
なんと奇特なことに、このオーリスのRS系のトランスミッションは、全て6MT!いやあ、トヨタも、やるときはやってくれるものだ。
ストローク短くカチカチと決まる、このMT。走らせると、やはりMTは愉しい!エンジンとスロットルとの間にトルコンという名の薄皮が存在しないその走り。非常に軽快でスポーティであった。カタログスペックのことはさておいて、この時代にMTを設定してくれたトヨタの英断を、私は大いに賞賛したい。
また、オーリスの偉いところは、「スペアタイヤ装着が選択可能」な点だ。それは税込10,500円のオプションだが、過去に「パンク修理キットで修復不可能なパンク」に数度見舞われている私は、間違いなくそれをチョイスするだろう。
このオーリスも、インプレッサも、アクセラも、実にいいクルマである。欧州Cセグメントに直球ど真ん中のこの3車。大ざっぱに私の印象を言えば、「軽快なオーリス・しなやかなインプレッサ・がっしりしたアクセラ」といったところか。若干価格は高めだが、積極的に選びたくなるこのトヨタ車を、私は小さな拍手で迎えたい。