昨夜のこと。仕事で妻が遅くなったので、「ラーメンでも喰いに行こうか?」と提案したところ、「どうせ外食なら『プー横』がいい!」とのご返答。そんなワケで、久々の『プー横丁』でのディナーであった。私の気分は本音はラーメンだったのだが、これはこれで素晴らしい。
思えば、私がこの店を知ったのは、大学生だった頃。まだこの店が札幌市東区苗穂にあった昭和の終わりか平成の初めの頃である。現在地の元町に移転してからも、すでに17年の月日が流れてしまった・・・そういえば、苗穂から移転する直前に、あのなぎら健壱氏が「葛飾にバッタを見た」という歌を、この店で熱唱しておられたことを思い出した。
それでも、この旧いアメリカの酒場のような、このあずましい空間が、現存しているということはとても素晴らしいことだ。
とはいえ、写真ではそうは見えないかもしれないが、この日もこの店は多くの若者達で賑わっており、まるで居酒屋のような騒々しさであった。我々が学生だった頃は、こういう店ではバカ騒ぎをせずに、ゆったりとした時間が流れるのを愉しむのがたしなみだったのだが・・・それが、20年の歳月というか、時代が流れていることを感じさせた。こんなことを考えてしまう私は、単なるオジサンである。
そして、その多彩な家庭風料理の数々に、私は何を注文すればいいのか、いつも迷ってしまう。「セイロン風ドリア」にも大いに魅かれたのだが、迷った末に、「チキンチーズグラタンステーキ+ライス」(計920円)をオーダー。
ここのお店の料理のポイントは、抑制を利かせながらも主張するガーリック&ブラックペパー、そしてトマトなのだ。この店が長らく人気店でいられるのは、その雰囲気もさることながら、リーズナブルでかつオリジナリティのある、美味しい料理のなせる技なのであろう。
そして、店内に飾られているのは、日本初のDOHCエンジン搭載車である「ホンダT360」!このような芸の細かさに、私のような者は参ってしまう。レストラン『プー横丁』よ、永遠なれ!