私の料理歴は長い。 高校生のとき、オフクロが半年ほど入院し、
代わりに下宿人も入れた7、8人の食事を、朝と晩作り続けて以来だ。
山岳部にいたので、食事を作ることは苦にならなかった。
しかし昔の山の食事は、エネルギー補給のためのエサみたいな
ものだから、家のとなるとそうはいかなかった。
オフクロの持っていた料理本を読んで片っ端から作り、
レパートリーを増やしていった。 ゴボウのキンピラのような
家庭料理から、皮から作る水餃子やフランス料理も作った。
忘れられないのはフランス料理だ。 やたらに時間がかかった割に、
マズくてみんなが残し、二度と作る気がしなかった。
イカの酒盗和えは、その頃おぼえた料理。
よくある、酒盗とただ和えるものとはちょっと違う。
おかずに、酒の肴にもってこいだ。
* 酒盗は生きのいい、カツオの胃や腸から作り熟成させたもの。
そまま飯つけて食べてもうまいが、クリームチーズやカマンベール
チーズによく合い、それらに乗せて食べてもうまい。
作り方:
1、刺身用のイカをさばき、塩辛に使うぐらいの切り身にしておく。
2、小鍋に酒、カップ半分ぐらい入れ、そこに酒盗を大サジ3、4杯
入れ、軽く煮立たせ、火から降ろしてよく冷ます。
3、この漬け汁にイカの切り身を入れ、和えたらできあがり。
ユズがある季節なら、散らせば香りがいい。
日持ちがするので、冷蔵庫でねかせ馴染ませてもなおうまい。
酒盗とただ和えるものより、生臭味が少なく味がマイルドになる。
からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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