湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

♪ 「今日でお別れ」・・・

2013年10月19日 | 詩歌・歳時記

            

ボクが22歳、 あのひとが24歳でした。 もう42年もむかしの長浜の町の物語でした。

作詞家になるための夢にひと筋に生きていたボクでした。 あのひとは旧家のお嬢様・・・・。

そしてお見合いをして、 嫁入りがほぼ決まっても、ボクにはどうすることも出来ない無力な

貧しい青年でしかなかったのです。

今はない 「たそがれ」 という、長浜駅前の喫茶店であのひとから総てを聞きました。

その時に流れてきたのが、菅原洋一の 「今日でお別れ」 でした。 

別れましょうと言ったあのひとが、この歌を聞いて・・・辛そうに微笑したのが、昨日のことのように

覚えているボクです。 そしてあのひとの美しさも・・・ボクだけが知っている、と思ってます。

   

         鷺草の

         虚空をかろくとぶ姿

         似合ふ洞を胸にもちたし

生きてゆく気力を失くして、 どうすれば死ねるのか? そればかりを思い詰めて町を彷徨って

いたボクの耳に響いてきたのが、 西郷さんの 「真夏の嵐」 でした。

歌手生命を賭けて、情熱をこめて歌っていた西郷さんの迫力にボクは救われました。

         圭一郎登美子啄木ああ尾崎

         恋人はみな

         若く死にたり

そして、作詞家の勉強のために東京へ向かったのでした。

          

    


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