スーパーボウル・サンデー

金曜日から土曜日にかけて再び荒れたお天気となった南カリフォルニアでしたが、
今日日曜日の朝は、一転して気持ちよく晴れ上がりました。

意外にも（←失礼！）敬虔なキリスト教徒の多いアメリカ、カリフォルニア州。
日曜日の朝は、多くの人が教会で礼拝に参加します。

ウチの近所にあるこの教会、 出来て間もないと言うのに（今年１月にオープンしたばかり）、 そしてカトリック系だという話なのに（アメリカはプロテスタントが主流なんです）、 広い駐車場は、朝早くから車で一杯になっていました。

ま、それはさておき
２月の第一日曜日といえば、スーパーボウルSuper Bowl
アメリカでは国を挙げての一大イベントです
第44回となる今回は、フロリダ州マイアミのサンライフ・スタジアムで開催されました。

スーパーボウルといえば、チケットは高額なうえ、 なかなか手に入りにくい。 おまけに西海岸からは、言うまでも無くムチャクチャ遠い。 地元チームが出ているなら兎も角、通常は自宅にてテレビでの観戦となります。 友達を家に招き、ホームパーティーしながら大勢でワイワイ言いながら観戦するのが常。

おかげで試合が中継されている時間帯は、街には車が少なく、人影もまばら。
そしてあちこちのコミュニティから賑やかな歓声が聞えてくる。
ま、これも一種の風物詩ですね


第44回大会で対戦するのはインディアナポリス・コルツとニューオーリンズ・セインツ。

前者コルツは第41回大会の覇者、今シーズンは14勝2敗でAFC南地区優勝。 一方、後者セインツも13勝3敗でNFC南地区優勝と、順当なガチンコ対決となりました。

コルツのクォーターバックQBはペイトン・マニングPeyton Manning。
お父さんも元ＮＦＬ選手（なんとセインツのQB！）、弟くんもＮＹジャイアンツの先発QBと、
ある意味“サラブレット”な彼は、MVPを歴代最多の4回受賞している、NFLを代表するQBです。

対するセインツのQBはドリュー・ブリーズDrew Brees。
2004年、2006年、2008年、2009年と4回プロボウル（NFLオールスターゲーム）に選出され、
2008年には最優秀攻撃選手にも選ばれてます。

この人、実はセインツに移籍前は我らがサンディエゴ・チャージャーズに居たんです～♪
昨年夏にニューオーリンズを訪れたこともあり、二重三重にもご縁が有るということで、
我が家ではセインツを応援しておりました。


試合はまずコルツ優勢で展開。
コルツの守備陣に止められてセインツ思うように得点できず、ようようフィールドゴール２つ。
逆にコルツはあっさりタッチダウンを獲り、フィールドゴールも決めて、前半は１０－６で終了。
しかし、ハーフタイムを挟んだ後半、試合が動きました。


ちょっと横ですが、ここでアメフトの基本ルールを少し。
攻撃権のあるチームが４回のアタックで自陣を10ヤード進められれば攻撃が続行し、
10ヤードに届かなければ攻撃権が相手に移ります。
４回目の攻撃の終了時にボールが落ちた場所から、攻守交替して試合が続けられます。
そこで攻守交替する直前の攻撃では、キックでボールを相手陣地の奥深くに戻すのが定石。


後半の攻撃はコルツから、ということで、まず最初にセインツ側がボールを蹴ります。
上記のセオリー通り、コルツ側は自陣深くに選手を配置してボールを待っていました。
と、ここでセインツが思いもかけぬ行動に出た。

なんと、ボールを軽～く蹴って、コルツ布陣の最前列の手前ギリギリに落としたんです！
コルツの最前列にいた選手は、予想外の展開に動揺してボールをミスキャッチし、
前方（セインツ布陣の側）に弾き飛ばしてしまいました。
跳ねたボールにセインツの選手がすかさず飛びついてカバー、
この結果、攻撃権がセインツに移ってしまったのです！！
危険な賭けではありましたが、完全にセインツ側の作戦勝ちです。

これで試合の流れは一気に逆転しました。
セインツが波に乗り、順調に得点を重ねる一方、コルツは善戦するも一歩及ばず、
結局３１-１７でニューオーリンズ・セインツが第44回大会の覇者となったのでした。

05年8月、ハリケーン・カトリーナによって壊滅的な打撃を受けたニューオーリンズ。
セインツは経営危機に瀕し、存続が危ぶまれていたほどだったそうです。
過去に９回もスーパーボウルを開催したニューオーリンズをホームとしながら、
一度もそこに辿り着いた事の無かったセインツが、ついにこの日、NFLの頂点を極めました。
おめでとう、セインツ！おめでとう、ニューオーリンズ！！