カリフォルニア徒然草 または武蔵国人覚書

ダンナの海外赴任のため、想定外のアメリカ暮らしを経験。
日常のふとした出来事を、心覚として綴っています。

PCHを行く!~(2)大金持ちの夢の城

2009-07-07 16:10:13 | 旅行:PCHドライブ
7月4日(土)アメリカの独立記念日。海辺の町の朝は、どんよりとした曇り空。
まぁでも、気温が上がってくれば雲も晴れてくるでしょう、きっと。

まずは朝食。
コンチネンタルブレックファストのサービスがあると聞いていたので行ってみました。
マフィン数種類、ドーナツ、ペストリー、あとコーンフレーク。
飲み物はコーヒー、オレンジジュースと牛乳。

ま、サービスの朝食なんて、
こんなもんですって。

今日訪ねるのはハースト・サン・シメオン記念館。そう、昨日見た丘の上のお城です。
“Hearst San Simeon State Histrical Monumentという正式名称よりも、
“ハーストキャッスルHearst Castle”という名で広く世間に知られています。

Wiliam R. Hearstは俗に新聞王と言われ、26の新聞社、13の全国誌、8のラジオ局、
その他数多くのニュースサービスを所有していた、アメリカの大富豪の一人です。

そもそもは、彼の父ジョージ(←鉱山技師で銀を掘り当てて財を成した)が、
友達や息子のウイリアムを連れてキャンプに訪れるためにと、1865年に
サン・シメオン湾を望むこのあたりの牧場用の土地40,000エーカーを購入しました。
ウイリアムは、大人になってからもこの地での妻子を連れてのキャンプ旅行を愛し、
やがて、ここに自分の住居を構えることにしたのでした。

計画は1919年に始まり、建築家ジュリア・モーガンと1947年までかかって進められます。
海を見渡す丘の頂上137エーカーに庭園、テラス、プール、迎賓館、邸宅などを配し、
屋敷の中にはウイリアムが収集した美術品や骨董品が展示されました。
Hearst Castle

750 Hearst Castle Rd.,
San Simeon, CA93452

※ホームページ→こちら
ウイリアムの死後、屋敷はカリフォルニア州に寄贈され、現在一般に公開されています。
1号線からHearst Castle Rd.に入るとすぐ公園入り口。その先が駐車場になっています。
丘の上は一般車は入れません。
まずはビジターセンターでチケットを受け取ります。

見学ツアーは大人一人24ドルで、5種類あります。
初心者にはやはりツアー1
お奨めです。
人気があるので、事前にオンライン予約しておきましょうね。
ビジターセンターの奥が見晴所になっていました。

眼前の丘の上にあるのが、これから行くHearst Castleです。

と、遠い・・・
リスが出てきました。

専用のシャトルバスでお城に向かいます。
うねうねとした山道を
10分以上(!)バスに揺られ、
ようやく頂上に到着

ツアーは40人くらいのグループで、2人のレンジャーガイドが付いて一緒に見学します。
まずは最初に注意事項の説明。
 ・チューインガムをここで捨ててください。
 ・建物内では彫像、大理石の柱、戸口、家具、織物、調度品類に触ってはいけません
 ・床張りや絨毯の保護のため、ナイロンカーペットの上を歩いてください
 ・写真は大いに撮って構わないけれど、フラッシュや三脚の使用は禁止です、等々

この時にツアー概要の日本語パンフレットがもらえるので、是非ゲットしましょう。
さあ、いよいよツアー開始です

お洒落な石段をあがった所は広いテラスになっています。
スペイン風の建物の前に
見事な噴水
この『ダビデ像』はどっかで見たな~(コピーでしょうけど)
左手の、ギリシャ神殿風の建物に移動します。

ネプチューン・プール
長さ34m、深さ1.5~3m

海神ネプチューンの像のある正面の神殿の柱などは紀元前1~4世紀の古代ローマ帝国時代のものだそうです。
海と山を一望できる、ツアーでも人気のスポットです。

テラスの上には3軒あるゲストハウスの内の一つ、Casa Del Solがあります。
Casa Del Sol
(太陽の家)


南スペイン風の建物は、随所にイスラム風の装飾が施されています。

3層構造で、合計18室。

内部は当時の客室の様子が復元されています。
壁や天井に凝った装飾。

ペルシャ様式なので、到るところ金ぴかです。
窓からは最高の眺め
調度品は主にスペインやイタリアの14~16世紀のもの

屋敷の周りは幅広の通路が取り囲み、多くの美術品が展示されています。
展示品は現代のものもありますが、中には古代の遺物も。。。

左下のセクメト女神像は紀元前1300年頃の古代エジプトのもの。
中央テラスで小休止。

ハーストはこの地を
“La Cuesta Encantada
(魅惑の丘)”
と呼びました。

テラスの上、丘のひときわ高い部分に建つのはCasa Grande
2つの鐘楼を持った建物は、ヨーロッパの寺院のように見えます。
実際、正面入り口の扉は18世紀スペインの修道院の扉です。

集会室
Casa Grandeで最も広いリビングルーム。

来客たちは昼間、屋外で乗馬やテニスや水泳を楽しみ、夜はここでカクテルや会話を楽しんだというわけです。
16世紀の宮殿式天井、そこからフランダースのタペストリーがかけられ、壁には15世紀頃の聖歌隊席を用いています。

暖炉のマントルは南フランスのお城からのもの。

Casa Grandeの来客用の食堂

16世紀のフランダースのタペストリーは旧約聖書からの情景を描いたもの。

壁の聖歌隊席は14世紀スペイン風で、豪奢な銀製品が飾られています。

天井はカトリックの聖人を模した17世紀イタリア風
当時のテーブルセッティングが再現されてます。

食材はハーストの農場内の放牧場、酪農場、養鶏場、果樹園、野菜畑から届けられました。

え? つまりそれって、
自給自足できたってこと?!
奥の壁の2階のスペースでは弦楽四重奏団やジャズバンドの生演奏が行われたそうです。

なんつー贅沢。。。

朝の間
建物の東側にある居間

重厚な木製の天井、大聖堂を思わせる大理石のアーチ、フランスのお城から持ってきたというマントルピースなどが中世の雰囲気を醸し出しています。

ビリヤード・ルーム

ビリヤード台を2つ並べて置けるほどゆったりした部屋。

天井は1400年代のスペイン製、マントルピースと入り口はフランス製

ビリヤード室を抜けて案内された部屋は、なんと映画館!
これが本当のホームシアターってヤツ?(そんな可愛らしいもんじゃないけど
壁は赤いダマスク織で覆われ、金色の女性の彫像の形をした柱が天井を支えています。
暗くていい写真が無いのが残念。。。
ここでしばし、ハーストの来客たちによって撮られたホームムービーを鑑賞します。

一息入れたら一旦建物の外に出てテニスコートへ。
傾斜地に建てられたテニスコートの下の階に入るとそこは何と室内プール
長さ26m、深さは3m、
反対側には飛び込み台がありました。

ローマ風の造りで、周りには古代ギリシャとローマ時代の神々やスポーツ選手の大理石像が飾られています。
金箔を施したブルーのモザイク・タイルは、プールの底にまで敷き詰められています。

アルコーブ部分には天窓があって、外の光が入ってきます。

夜には星空を眺めながらゆったり過ごせるのだそうで。

以上でツアー1は終了。
アメリカンドリームをこれでもかというくらい見せつけられ、一同やや放心状態まま、
バスに乗せられ、城を後にします。
途中の山道から、つい今しがた見てきたCasa Grandeの鐘楼を見ながら余韻にひたる・・・

移動時間も含めて約2時間のツアーは、なかなか盛りだくさんな内容でした。


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