定跡の知識や詰将棋なしで、初段になりたい! ナマケモノが教える、ボンクラ将棋上達法

2021年08月04日 | 将棋・雑談

 「将棋ってさー、どうやったら強くなれんの?」

 

 というのは、将棋ファンが友人などから、たまに訊かれたりすることである。

 特に昨今は、ブームを受けて以前より多くなったと思われるが(ありがたいことです)、ではこの問いには、どう答えるのがいいのか。

 得意戦法を身につける、詰将棋を解く、プロの対局を観る、いやいや結局、大事なのは実戦だよ、などなど。

 まあ、それがふつうというか、間違いなく「正解」なのだが、たいていの場合「強くなりたい」の前には、こういう言葉がセットになるのだ。

 

 「努力しないで」

 「ゴロゴロ寝ながら」

 「マジ、超テキトーな感じで」

 「へーこいてプー」

 

 人生をなめとんのかと、足つきの六寸盤で、頭をカチ割ってやりたくなるが、まあこう言ってはなんだが、私だって将棋の部分を

 

 「スポーツ」

 「勉強」

 「女にモテる」

 

 などに変えれば、似たようなことは、しょっちゅう言ってるわけで、そら、

 

 「どうやったらテストの成績が(楽勝で)上がるのか」

 「テニスが(サボって)うまくなる方法、教えて」

 

 を訊いてるのに、

 

 「コツコツと積み上げることが大事。すぐには結果が出ないかもしれないけど、基礎を地道に反復練習すれば、いつかは伸びるから。長い目で見ていこう」

 

 なんてアドバイスされた日には、苦笑いしながら、

 「そういうん、ちゃうねん」

 坂口安吾の、

 

 「正しいことは、正しすぎるから私は嫌いだ」

 

 という言葉を思い出させられる。

 人生は、そんな理屈通りで動くような、甘いものじゃないんだぞと、説教したくなるくらいだ。

 やれ、通勤電車で詰将棋だ、休みの日は将棋ウォーズで指しまくれだと言ったって、「はあ……」でおしまいで、まあ言ってしまえば、それが「ふつう」なのである。

 ただ、そういう結論では、いかにも夢がない。

 私はここで、けっこう将棋のネタを書き散らかしているが、自分の腕自体は「将棋倶楽部24」で最高二段である。

 ずいぶんの話で、今は絶対そんな棋力はないけど、一時期そこまで行けたのは事実。

 将棋をはじめた人が、とりあえず目指すところといえば「アマ初段」だから、そこをクリアしている身としては、それなりのアドバイスもできるわけだ。

 しかも自分でも、かなりいい加減に、そこまでたどり着けたという実感があって、

 

 「ボーッと棋譜並べをして、3ヶ月だけネット将棋を指しまくったら、ブレイクスルーが起って有段者になれた」

 

 ついでにいえば、定跡も手順があやふやで、詰将棋もほとんど解いてない。

 必至問題や「次の一手」なども、すべてスルーするという、華麗なナマケモノ将棋ライフ。

 それでよう有段者になれたなと、あきれる向きもあるかもしれなが、逆に言えばそんなボンクラでもなれたと、そこに希望があるとも言える。

 これくらいなら、相当にハードルが低く、初心者の方にもやる気が見えるかもしれないが、これがそう単純な話に、まとめられない事情があって困りもの。

 というのも私の将棋歴というのが、かなりかたよったもので、

 「実戦をほとんど指さない」

 というタイプの将棋ファンだからだ。

 どれくらい指さないかを具体的に語ってみると、ルール覚えたのは小学生のころ。

 道場に通って、そこではそこそこ指したものの、たいして上達には役に立たず

 その後中学3年間は『将棋マガジン』と『将棋世界』を、毎月買うほどどっぷりハマりながらも、周囲に将棋ファンがいなくて、一局も指さず

 高校生のときにやっと将棋の、それもコアなファンに出会い友人になり、棋力も同じくらいだったけど、少々変わった事情があって、3年間のつきあいで、20局くらいしか対戦せず。

 その後、18歳から25歳くらいまで、またも一局も指さない空白期に突入。

 そこでようやっと「将棋倶楽部24」に出会い、3か月ほど指しまくったら二段になるどころか、「あと1勝三段」というところまでいった。

 その後はまた20年近く、ほとんど指さない期間が続くことに。

 つまり、ただでさえ、有段者になるまでの局数が少ないうえに、30年の将棋ファン歴で、指さない期間が27年もある。

 しかも、もっとも棋力がのびると言われる10代に、実戦と無縁だったのだから、おかしなもの。

 とはいえ、特殊だからこそ「ふつうのやり方」で伸びが止まっている人の、突破口になる、なにかが生まれるかもしれない。

 そこで今回から、少しばかり、そのあたりのことを振り返ってみたい。

 私と同じく、

 

 「ダラダラしながら、初段になりたいぜ!」

 

 という、頭の底が抜けた将棋ファンの方々の、参考になれば幸いである。

 

 

 (続く→こちら

 

 


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