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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

引越し大名

2020-04-13 21:28:11 | 邦画
近頃の時代劇は、歴史書野村片隅から
武士の表舞台ではなく、ちっちゃい歴史的な事実で現代の我々が知らないこと
参勤交代の裏側だったり、算盤だけに生きてきた城侍とか、大名の借金とか
料理侍とかに焦点を当てて
現代語口調と若手人気俳優を使ってシルバー料金だけではない層を取り込むことに成功した時代劇しか作られないようですが
 
語り口の面白さと、現代人に通じる人物像などによって、日本映画界は時代劇に新しい鉱脈を発掘したようで
この作品も、いわゆる国替えという大名の壮大なお引っ越しを描いた作品
役者にしても中堅イケメンさんを揃えての時代劇の皮を被った現代劇と言ってもいい映画ですが
一応時代劇というジャンルですから、クライマックス野村ケレンとしてちゃんとチャンバラもしっかりと取り入れているんですね
 
姫路城主松平直矩が江戸勤番の折、当時老中だった柳沢吉保とのおかぼれによる
一方的なボーイズラブを拒否ったために
莫大な費用を要する国替えを命じられ、姫路から減高もいいところの日田への国替えをめいじらるってところからお話がじまりますが
実は姫路のお殿様、出羽国山形藩から姫路藩に国替を命じられるが、姫路から越後国村上藩に国替となり、再び姫路に戻らされ
この映画では吉保から怒りを買って7万石に減らされて豊後国日田藩に国替を命じられた
 
その史実から脚色しての映画ですね
日田移って4年後、3万石加増の上で出羽山形藩、さらに6年後5万石加増の上で陸奥国白河藩へ移されて生涯を終えるまで描いており本当に引越し大名ですね
普通はこんなに国替えにならないはずなんですが
で、減高されたことで小澤やピエール瀧たちの家臣を泣く泣く百姓にして10年後迎えにいくところで終わってるんですね
 
こう言った現代的な時代劇では主人公よりもヒロインが実にしっかり者で
今作では高畑充希さん、ちょっとお若い感じもしないことはなかったけど
ま、合格点だったかな
星野源さんは、ある意味はまり役ですが、高橋一生さんはお顔が時代劇向きではなかったかなぁ
客寄せパンダとしての役所だったかな
松重さんはもうこう言った家老に向いてるし、auの金太郎さんはこう言った時代劇には欠かせない存在ですねぇ
 
ま二時間気軽に楽しめる作品でした
そういえば国替えの都市伝説を一つ
関ヶ原で豊臣側であった水戸藩主であった佐竹藩
外様ということで早速秋田に国替えを命ぜられる
後任に水戸は徳川が治めると知った佐竹のお殿様、怒り心頭
徳川は分家ということで、他藩からの国替えではなく、一藩としての国づくりになると知って
なんと水戸中の美女を総ざらいして秋田にお引越ししちゃって
水戸やその近辺に残ったのは醜女しかいなくて・・・
水戸のお殿様は醜女たちを藩士にあてがうしかなく
その反動が今日まで禍根を残し、茨城は万年都道府県ランキングでは最下位
一方秋田は美人の宝庫ということで・・・
あくまで都市伝説ですが
 
2019年製作、日本映画、「引っ越し大名」製作委員会作品、松竹配給
犬童一心監督作品、土橋章宏原作・脚本
出演:星野源、高橋一生、高畑充希、小澤征悦濱田岳、西村まさ彦、松重豊、及川光博、富田靖子、山内圭哉
 
コメント
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