今日は久々（二ヶ月ぶり！）に渋谷へ。
今日は、やすべえにしようか、櫻坂にしようか、すずらんにしようか、武蔵武骨外伝にしようか、はたまた喜楽にしようか・・・と散々悩んだ挙句、久々に『はやし』に行くことにした。三年ぶりくらいかな。かつての印象としては、卒のない丁寧な青葉インスパイア系？！っていう感じだった。今回はいかに。。。
三年前と変わらず、やはり相変わらずラーメン一本のお店だった。このお店、なんとメニューは、「らーめん」と「味玉らーめん」と「焼き豚らーめん」のみ。この三品しか提供していない。この国には一品だけで勝負をするラーメン屋もあるが、三品というのも相当なものだ。おそらく、世界でも三品だけで勝負をする飲食店は他に滅多にないと思われる。でも、そういうかたくなさが今も変わっていない『はやし』を見て、ちょっと安心。
今日は昼下がりということもあって、味玉もチャーシューメンも品切れ。食べられるのはラーメン一品のみ。ということで、「らーめん」（680円）を注文。
コクのありそうな茶色いスープ（少なめ）、脂身がキラリと光る柔らかそうなチャーシュー、ぶっとくて噛み心地の良さそうなシャキシャキメンマ、中央には、二種のネギと柚子。シンプルで美しいヴィジュアル。見た目どおり、スープも麺もトッピングもすべて『完璧』というにふさわしいレベルの逸品だ。スープは、濃厚な動物系スープと魚介系スープのWスープだということはすぐに分かるだろう。だが、そのスープの味の複雑さゆえに、食材を自分の舌だけで見極めることはほぼ不可能であろう。それほど重厚で濃厚で複雑で丁寧で旨味溢れる豊かな味わいのスープなのだ。これを『東京魚介醤油』の王道と呼ばずして、何を王道と呼ぶのか。それほどまでに技術的に洗練された一杯なのだ。チャーシューもかなり高級そう。とても柔らかくて臭みがない。プリプリのチャーシューを堪能することができる。本当に超ハイレベルだ。柚子をスープの中で泳がすことで、スープに柚子の風味が加算されていく。これがまた超絶品。メンマもよく味が沁みていて、コリコリで、最高の食感を演出している。ラーメンのパーツ、一つ一つがどれも超完璧で、一切の無駄がない。
『はやし』、このお店は、あらゆる点で、『簡素でシンプルな美学』を貫いている。なんでもかんでもボリュームがあればよい！というわけではなかろう。無駄な部分を削っていくことで浮かび上がる繊細さというのもあるのだ。ここのラーメンは、まさに、あらゆる無駄をそぎ落とし、一つ一つのパーツをとことんまで追求している『禅問答』のようなラーメンなのだ。究極の『シンプル美学』が貫かれている。もちろん全体的なバランスも超一流。やはり麺がうまくて、スープがうまくて、具材がうまければ、しっかり評価されるものなのであろう。『はやし』は、まさに今注目株なのである。
はやし
東京都渋谷区道玄坂1-14-9 ソシアル道玄坂１Ｆ
03-3770-9029
11：30-15：30
日曜祝日休業
