ぴあ発行のこの本は、僕個人的に、石神本の次に重宝している。石神本が質で勝負なら、こちらは量で勝負の一冊だ。なんといっても量は半端ない。玉石が無秩序に並んでいる感じかな。1100軒は圧巻だ。
だが、その分、製作者側の意図が反映されていなくて心地よいのだ。つまり、マスコミが選出した推薦店が見えにくくて、自分の舌で自分だけのお店を探してね!という自由がこの本にはあるのだ。だから、変に押し付けがましくないのだ! 「絶対にここを食え」みたいな押し付けがましさがない分、フラットに読める。
それでいて必要な情報はきちんと網羅されている。さすがぴあだけあって、地図は見やすいし、分かりやすい。ピーク時の時間帯が書いてあるのもなかなかだ。かゆいところに手が出ている!
世の中には数多くのラーメン本が出ている。ラーメンと同じく、素晴らしい本もあればくだらない本もある。
2008年度のラーメン本ももうそろそろ出尽くしたかな、という感じだが、やっぱりオススメは、石神本とこの「最新!最強!究極のラーメン」かな。この二冊があれば、一通りのラーメン通になれると思う。雑誌もいいけど、やっぱりラーメン専門誌が一番しっかりしている。あ、あと、月刊とらさんを読んでおけばなおgoodかも。月刊とらさんはやっぱりすごい雑誌だ。
この本のなかで、アイバンラーメンのアイバンさんが次のように語っていた。
ラーメンは僕の夢。そして、今その夢は現実として叶っている。だから僕はこのお店の中で起こるいろんなことに責任を持たないといけない。僕がやりたいと思うアイデアや企画はまだまだいっぱいあるんです。(p.4)
夢が実現したからこそ、責任を持たなければならない、っていう言葉にぐっときた。欧米人らしいなあ、とも思う。夢が叶ったから、ハッピーじゃなくて、責任。全くそのとおりだと思う。
読み応えもあるまさに究極のラーメン本だ!