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Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

2015.9.9◆ルフトハンザ◆海外でのストライキ◆欠航◆Rebooking ドキュメント

2015年9月9日。

ドイツの航空会社「ルフトハンザ(Lufthansa)」が、大規模なストライキを実施しました。

今回は、Eurowingsという格安航空会社との提携を巡る問題でのストライキだったようです。南ドイツ新聞の記事だと、実際的な国際競争力を高めるためにEurowingsとの連携を強化したい経営陣と、その格安航空会社との連携により労働環境の悪化や賃金の減少や安全性への懸念を強めるパイロット側との「戦い」だったようです。もっと広く見れば、格安路線の確保を通じてグローバル競争に勝ち抜こうとする経営陣に対し、質の確保、労働条件の安定、安全性の保護を訴えるパイロットという図式になっていました。なので、「パイロットの賃金上げ要求」のためのストライキではありませんでした(日本の保育業界の議論に似てる?!)。ゆえに、従来の「ストライキ」の目的(団体交渉権等)から逸しており、今後大きな問題になりそうです(裁判所はこれを問題視しているそうです)。なお、今回のストライキの影響を受けた人は、14万人ほどだそうです。長距離便の欠航は、52便。僕の飛行機は、この52便の中の一つでした。

さて。

この記事では、そのストライキに巻き込まれた「僕」の目から見た「長い一日」のレポです。


①とりあえず「飛行場」にはできるだけ早く行くこと。

前日からネットや電話を通じて、色々とアプローチしたのですが、当然ながら回線はパニック状態。電話をしても、全然かかりませんでした。挙句の果てには、「電話での対応は打ち切りました」、と自動音声に告げられました。となれば、とにかく、可能な限り早く飛行場に行って、「Rebooking(Umbuchung)」をするしかありません。

僕は、フランクフルト国際空港からICEで二時間ほどのEisenachに居たので、朝7時台のICEに乗って、フランクフルト国際空港に向かいました。

フランクフルト空港駅に着きました。

いよいよ、長い決戦?の始まりです。

現場はそれほど混乱はしていませんでした。

早速、あらゆる場所で、このような「掲示板」を見かけました。

ネットで分かるのは、「現在の運行状況」のみです。

「いったい自分がどうなるのか」については、行ってみないことには分かりません。

(電話につながれば、その電話でRebookingができたかもしれませんが…)

こちらが、いわゆる「国際線」のチェックインカウンター。

朝早かったので、それほど人は多くなかったです。

が…

国内線は、このように超大行列。

この日は、フライト予定の約三分の二が欠航ということで、主に国内線のダメージが大きかったようです(朝9時台の時点では)。

とにかく、できるだけ早く空港内に向かうことが、鉄則かな、と。

②Rebookingが可能なカウンターを探すこと。

結構、間違えている人が多かったのですが、自分が「Rebooking」できるカウンターをしっかりと見つけることが大事です。何人かの人は、間違えて、違うカウンターに並んでいました。しかも2時間! それでいて、「お客様のフライトは別カウンターになります」と言われたら、もう、それはショックですので、、、

僕は、6人くらいの空港従業員の方に質問しました。みんな、言う場所は一緒でした。ちゃんと「行き先」を相手に伝えないと、間違った情報を受けることになります。僕は、「NARITA」と大きな声で伝えて、さらに、紙に「NARITA HEUTE!」と書きました(苦笑)。

そうしたら、「2FのTicket Centerに行け」と言われました。

こちらのカウンターは、ヨーロッパ、ドイツのRebookingカウンター。

およそ2時間の待ち時間だそうです(国際線とほぼ一緒)。

で、僕は、日本行きなので、Ticket Centerに向かいました。

こちらです。

5時45分から営業しているようです。

もう一つ前の電車で向かってもよかった気もします。とにかく早くGOです。

③飛行機のRebookingの結果は、実にさまざまである。

当事者として一番知りたいのは、「これから自分はどうなるのか」、です。とにかく「Rebooking」が可能なカウンターでひたすら待ちます。僕は、9時50分頃に、「受付番号」をもらいました。その時点で、なんと75人待ちでした。

75人…。

眩暈がしそうでした。が、もう、待つしかないですので…。しかも辛いのは、いつ自分の番号になるのか、予測できないこと。呑気に朝食を味わうこともしていいのかどうか…。まわりの人たちもすっかり疲れた様子で、みんな、少し暗い顔をしながら、じっと自分の番号が呼ばれるまで待っていました。

僕は、こまめに現在の番号を確認しながら、フィールドワークと喫煙休憩(苦笑)。色んな人がいました。日本の困ったクレーマー客みたいな人はほとんど見かけませんでした。だいたい、こういう状況だと、困った(特に)おじさんたちが、怒鳴り声を上げますが、こっちではそういう人はほぼ見かけませんでした。(多分、その困った「おじさんたち」も、異国に来たら、大人しくなるんでしょうね。で、家族とかに怒りをぶちまける…。それは、全部、日本の文化的な「甘え」によるものなんだろうな…。だから、甘えが一切認められない海外に来ると、何も言えなくなる…、と)

Rebookingの中身も色々でした。

とある女性(南アメリカ方面)は、次の日のフライトを告げられていました。でも、ホテルまでちゃんとこのカウンターで手配してもらっていました。「明日のフライトになります。ホテルはこちらになります。とても快適でいいホテルですよ。ここで少しゆっくり休んでください」、と言っていました。それはそれでいいなぁ、と少し思いました。

で、2時間待ち、時刻は12時少し前。僕の番になりました。

対応してくれた女性の方に、「日本です。成田です。早く帰りたいです(♪)」、と告げました。そうしたら、「了解です。少しお待ちください」と言われ、数分待ちました。そして、「今日の19時20分発、成田行きのJAL便で、座席を確保しました。それでよいですか?」、と。僕は、一瞬耳を疑いました。「え? 今日帰れるんですか?」、と言いました。そうしたら、「はい。帰れます。19時まで待つことになりますが…。お客さまはラッキーですよ。よかったですね」、と言われました。「ラッキーなんですか?」、と尋ねると、「ええ。座席数もあと少しですし、座席がなくなれば、別の便を探さなければならないですからね」、と。

「よかった。これで、本日中に、日本に向けて出国できる…」

この時の「安心感」は、半端ないものでした。でも、たとえ一日延びても、ホテルはルフトハンザの方で手配してくれるので、それはそれでよかったかな、と思いました。というのも、もう、この時点で、満身創痍でしたから…。気持ち的にも、疲れ果てていました。8日の昼過ぎに、今回の便の欠航を知り、そこからずっとずっと、このことに頭を悩ませていました。「どうなるんだろう?」という不安に支配されていると、もう、何もかも楽しくありません。せっかくEisenachという素敵な場所で最後の夜を過ごしたのに、覚えていることといえば、ルフトハンザに電話をかけ続けたことくらい…。本当に、疲れました。

なお、僕の次の人も、ホテルの話になっていました。つまり、本日中の帰国は無理、という結果になっていました。

というわけで、僕は、朝6時に起き、7時過ぎにホテルを出発し、9時半頃に飛行場に到着し、12時にチケットの再予約を完了しました。そして、19時まで待つことになります。つまり、まさに「一日がかりの戦い」となりました。いったいあと7時間、どうやって待てばいいんだ?!、と。でも、「これからどうなるのか」は、はっきりとしたので、気持ちはすっきりしました。よかった…。しかも、人生初めての「ドイツからJAL便での帰国」。いつもは、LufthansaかANAなので、この両者との違いも見れて、いい勉強になるかな、と思いました。なんでもポジティブに♪

あと、10€分の「お食事券」も頂きました。

ちなみに、今回のストライキによる被害額(?)は、6000万ユーロ以上だとか… 100億円くらい?!汗 この損害賠償を巡って、これからパイロット組合と経営陣との間の法廷での裁判が始まるそうです…。


さて。

ここからは「ゴシップ的」に(苦笑)

この日のストライキは、かなり大規模なストライキのようで、テレビ局のリポーターもいっぱい来ていました。上の写真のこのリポーター、僕、見たことがあるぞ。テレビでしゃべっている姿を覚えてる! 話しかけようかと思ったけど、真剣な顔でお仕事をされていたので、やめました(苦笑)。

別のクルーもいました。全部で8台くらいはあったんじゃないかな。カメラ。

このように、ドイツのテレビ局でも、トップニュースとして、この話題を取り上げていました。一日前までは、「難民受け入れ問題」一色だったんですけどね。難民の話題から、ストライキの話題に、一気に変わった感じでした。また、日本の「台風」についても、ニュースで報道されていました。「TAIFUU」とリポーターが言っていたのが、印象的でした。

で。

ここからは、もう、、、、苦笑

とりあえず、Radler(ラドラー)を飲みました(苦笑)。

眠いし、荷物は重いし、体は痛いし、風邪でのども痛いし…。

フラフラですよ、、、(じゃ、飲むな!って、、、汗)

で、(疲れているはずなのに)せっかくの「待ち時間」なのだから、フランクフルト市内に行くか、という気持ちになり、、、 一番大きなトランクを空港荷物預かり所に預けて、電車に乗って、フランクフルトの中心「ハウプトヴァッヘ」に行きました。そこには、「普通のフランクフルトの日常」がありました。

「ああ、僕は今日で日本に帰国だけど、ここにいる人たちはみんな、今日も明日も明後日もずっとこのドイツにいる人たちばかりなんだなぁ」、としみじみ思いました。

僕は、大手CD店サターンに行って、素敵な音楽と出会って、幸せな気持ちになりました。

その一つがこの曲。忘れられない曲になりそう・・・ 

ドイツのジャニーズを発見!って感じで(苦笑) この曲、僕的に「どストライク」なんだよなぁ…。彼らは、「FEUERHERZ」、炎の心、いやー熱いなぁ…。別動画では、Schlager(ニューミュージック)と言われていました。そうだ、かつての「ニューミュージック」だ、これ!

この曲を聴くと、ストライキのことを思い出しそう…。ストライキでストライク(爆)。

あと、たまたま出会った超カッコいいメタルバンドSABATON。

この曲、一回聞いただけで、ドッキュンドッキュン状態に…。

サビのフレーズが頭から離れなくなって…。ボーカルはなんかEXILEのATSUSHIに似てる?!

と、そんな感じで、ストライキがあったからこそ出会えた「音」もあったんです。音楽LOVEな僕にとっては、このストライキは決して「無意味」ではありませんでした。こんな素敵なアーチスト・ミュージシャンと出会えたのだから。

どんな状況でも、意味を見出すことはできる」。フランクルから学んだことです。

以上、長い長い9月9日のドキュメントでした。


そして、翌日10日の14時頃に、無事成田に到着しました。

しかし、台風の影響で、飛行機が1時間ほどかなり揺れました。でも、もっと驚いたのは、実際に「今」、その台風の被害を受けている人がものすごく多いこと。鬼怒川温泉周辺の大災害には、ショックを受けました。昨年も、僕がドイツに行っている間に、広島で大きな被害を受けていました。日本は、(たとえ戦争がなくても)毎年のように、「自然災害」を被っていますし、また「原子力発電所」による「災害」もあります。本当に大変な国に住んでいるんだ、と改めて思いました。

あと、色々と書いていますが、やっぱりやっぱり日本に戻ると、心の底から安心します。日本は綺麗で、清潔で、なんでもそろっている恵まれた国。外に出たからこそ分かる日本のよさや素晴らしさ。本当に痛感します。

でも、(だからこそ)シリア方面からドイツにやってくる難民の方々のことを思うと、胸が苦しくなります。この「安心」を失ってしまったのだから。祖国がめちゃめちゃになり、祖国に戻っても、帰る場所もなくなっていて…。

とりあえず、日本に帰国できました。

心底、疲れました…。

コメント一覧

kei
つがぱりこさん

コメントありがとうございます。つがぱりこさんのHN、素敵ですね。パリが入っていますね。

ドイツのジャニーズ、いかがでしたか? 曲調的には、タッキー&翼かな、と思われますが… あと、回転するところもジャニーズですよね。
つがぱりこ
お疲れ様でございました
こんにちは。
海外でのストライキは本当に大変ですね。
それでもくじけずに頑張っているルポを
読ませていただいて勇気がでました!
ドイツのジャニーズも見れましたしね。
ありがとうございましたー。
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