散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

紡績工場跡

2005-07-13 15:38:40 | 移動記録
エンゲルスキルヒェン市のワッペン


昨日は、2時間程電車に揺られてエンゲルスキルヒェンという街に行った。
緑濃い中を電車は川沿に走る。暑い日でもあったので水遊びする沢山の子供が木陰の向こうに見えかくれし、裸で泥遊びに興じている。少し離れた所に大人たちは日光浴を楽しんでいる。
全くのどかな夏休みの景観だ。
後で聞けばこのあたりは雨が多いらしい。そのせいか緑は濃く深い様子をしている。

私はすっかり小旅行気分になっていた。
目的地には観る物が実に少なかったが、それでも知らない町を歩くのは楽しい。
駅を降りると、山の中の凹みに街がぽこっとはまっている感じだ。
そこから歩いて10分かからない所に、産業博物館がある。
1837年にテキスタイル工場が創立され、水が豊かな地形が手伝い1900年には水力発電が導入され、綿の紡績産業が花開き、そして1979年の紡績産業危機に倒れた。
創立者はマルクスと社会主義の体系を構築したフリードリッヒ エンゲルスの父親(やはりその名もフリードリッヒ エンゲルス)である。
街の名前はそれにちなんでいるというわけだ。
長男フリードリッヒは父の後を継ぐことになっていたわけだから、当時、この工場内を歩いた事もあっただろうなあ、などと感慨深い思いで歩いてみた。
マンチェスターにあった父親の綿工場に働きに出されて、その地に広がる貧困にショックを受け、以降父親のレールから外れて行く事になるわけだ。


建物群は今では、継ぎ接ぎされ改装され、博物館、役所、その他幾つかの事務所が入っている。

ところでこの街に私はいにしえの紡績産業に思いを馳せに行ったわけではなく、エンゲルス所縁の地を訪ねる為に行ったわけでもないでもない。
その建物群の中の一つに”昔の綿の倉庫”があり、産業博物館の一部で、特別展の展示室に使われる。そこでのグループ展の打ち合わせに出向いただけのことだった。

ここ数日ほんの少し体調崩し、頭は水を吸いすぎたスポンジのようだし、目はゆですぎた玉ねぎみたいになって、打ち合わせが終わってお茶を飲みに行く話しを断り、駅前の食堂の外に出たテーブルでリンゴジュースの炭酸割りをグイッとあおり帰路につく。
なんだかものすごく疲れてしまった。

今日もよい天気らしい。今年のドイツ夏は上出来だ。
とはいえ、アチコチで大雨の水害や山火事が相次いでいる。
こうしてのんびりしていられる事をありがたく思う。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様 (Hummel)
2005-07-13 20:51:36
Engelskirchenは結構遠かったのだね。調子狂っている見たいですが、疲れが出ないように。あのエンゲルスキルヒェンがその町の名前のもとであったとは知りませんでした。今日も暑そうです。
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Hummelさんへ (seedsbook)
2005-07-13 22:03:06
いやあ~思ってたより遠かった。電車だからね。

車ならもっと早い。40分くらい。

博物館意外はな~んも無かったよ。

緑は多かった。今回の展覧会はイートアートもあるし、音楽と、パフーマンス何ぞがある。

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