散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

ドクメンタ12 続き

2007-09-04 22:08:57 | 美術関係
Mary Kelly  
Gonzalo Diaz
これは案外気に入った作品。 部屋の中に当社された光のエンに近づいて自分の影を中央の四角な面に投影 すると文字が現れる。
 Peter Friedl  
動物園の檻を逃げ出そうとして壁にぶつかり、倒れて死んでしまった9歳のキリンを剥製にしている。キリンはあの不思議な体のつくりのおかげで一度倒れたら死んでしまう。このキリンについてなにやら哀れな裏話と言うのが出回っているらしいが、多分それは後で付け加えられたお涙頂戴ものらしい。
Ai WeiWei
WeiWeiと嵐の合作。
 Gerhard Richter
リヒターはこの小品一点。この両脇の中国の作家の作品が、この肖像画とどう呼応しているのか全く謎だった。
Olga Neuwirth
この作家は作曲家。
 Ai WeiWei
中国から持ってきた古い椅子。作品でもあるが座っても良い。作品についてのディスカッションを進めるグループ、歓談する鑑賞者たちが椅子に座ってのんびりできるのは良いアイディアだ。
Ines Doujak
オーストリアの作家。挑発的なコラージュなどなど。。。。
 Mária Bartuszová
疲れた目にこのオブジェはなんだかちょっとチーズのような感じに見えてきて、楽しくホッとした。
Aue-Pavillon
フランスの建築家デュオの手になるビニールハウス風パヴィリオン。透明な感じの軽いものを考えていたらしいが、天気の良い時には中の気温が当然のことながら上がり過ぎて、暑くて仕方ないのであちこちにカーテンを張り巡らす。結果透明感は消え薄暗い展示場となった。。。とは言え広いので息苦しくはない。
 Sakarin Krue-On
水田はならず(下記メモ参照)。。。青い光の階段室。
Sakarin Krue-On


ドクメンタ12は色々なアクシデントが付いてまわった。
この規模のどんな催し物でも多かれ少なかれ何かあるはずだが、それでも色々あった。
★クロアチアの作家Sanja Ivekovic の思惑通りに芥子の種が発芽しないが雑草が茂って困った。自然は我々の希望通りに動いてくれないもんだよね。

★チリの作家Lotty Rosenfeld が道路に記した反独裁政権アクションが清掃局への連絡不備によりあっさりと消されてしまった。チョークで書いたものだから綺麗さっぱり消えてしまった。清掃局の人だってドクメンタで張り切っていたに違いない。

★ウィルヘルムへーエ城の庭にタイの作家Sakarin Krue-On のアイディアで7000平米の水田を苦労して作り上げたが、全く育たずに終わった。これは当然というべき帰結。無理だ。OKを出した方が悪い。土地は水を吸い込んで水田なんか”作る気”が無いし、寒くて稲はすくすく伸びる事も出来ず根が張らないから傾斜面が崩れ落ちる心配があったので水を足す事は出来なかった。誰もそんな事を最初から考えたりしなかったのかが謎だ。私は最初から首をひねっていたのにね。。。。

★中国の作家Ai WeiWeiのモニュメント-古い中国のドアを積み重ねたもの-が嵐に負けて崩れ落ちた。作家自身は自然が手を加えて、この作品はより美しくなったと語っている。なるほどそうかもしれない。立ち上がったばかりのモニュメントより私も面白いと感じた。しかしそれは作家にとってあんまり名誉なことに思えないけれど。
★Alina Szapocznikowの写真に噛んだガムをつけたやからがいたが、無事剥がす事が出来た。

今のところ差品の盗難はないが、作品群に自分の作品を付け加えて行く者がいるらしい。監視人はすぐに発見して取り除いているとの事。盗みたいものはな見つからなかったのかもしれないし、場合によっては物足りなくて付け加えたくなるのかもしれない。。。なんてね。

気が付くとすぐそばにディレクターのBurgel氏がやって来てドクメンタ会場内の本屋に立ち寄った。私は何か一言感想を述べようとあれこれ思案しているうち、気が付けば新聞を小脇に抱え立ち去った後だった。

今回のドクメンタ12によって蒔かれた種がどう育つものか。。。興味のあるところである。

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2 コメント

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Unknown (kei)
2007-09-06 00:59:31
たくさんの紹介をありがとうございました
大きなものから小さいものまでいろいろありますね
作家にはどのくらいの援助があるのでしょう
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Kei さんへ (Seedsbook)
2007-09-07 01:29:35
援助は様々だと思います。
1001人の中国人。。。はスイスの画廊など個人的援助があったらしいですね。
不況だろうと、お金がそれでも動くという事実に妙に感心してしまいます。
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