ガーベラ・ダイアリー

日々の発見&読書記録を気ままにつづっていきます!
本の内容は基本的にネタバレです。気をつけてお読みください。

石井 桃子 編・訳 富山 妙子 画 「ギリシア神話」 のら書店

2007-09-25 | こんな本読みました

「エコー」ってどんな意味か知っていますか?
……そう。山びこのことですよね。人の最後のことばをくりかえすー。
じゃ、どうしてやまびこのことを「エコー」というのでしょう?

……それは実は人の名前からきているのです。ギリシア神話の中のー。
本書を読むとエコーという女性がどうして山びこになってしまったのかという経緯が語られています。

なぜなら。。。ただ一つ、エコーには悪いくせがあったのです。

どんなくせかって?(ここからはネタバレです)
<たいへんおしゃべりで、いつもさいごに口ごたえをする>くせです!

ドキッとした人いませんか?

それで、神々の父ゼウスのおきさきである、女神のヘラに、たいへんしつれいなことを言ってしまったのです。ヘラにあることを命令され自分のいいところも失っていくエコー。最後には、からだがやせほそって、消えてなくなり、とうとう声だけになってしまったというわけなのです。。。

他にもあります。
「この世にどうして「苦しみ」がやってきたか」について。これは、かの有名な<パンドラの箱>についてのお話です。英語のリーダーなどで読んだ方も多いのではないでしょうか。

本書は、石井氏が小学校高学年の子どものために再話し、編み訳したものだそうです。本書の典拠は『みんなのすきなギリシア神話』(S・ハイド著)と『トロイア戦争』『オデュセウスのぼうけん』(共にアルフレッド・チャーチ著)だそうです。それを石井氏が出来事をわかりやすいように取捨選択してあるそうです。

……なので、非常に読みやすい。そしてわかりやすい。

……しかも。ギリシアの神々や人々の名前をギリシア読みに統一してくれてある!主な神さまの名前の下にはカッコをつけて、神さまの名前のローマ読みと英語読みの名が付されているのです。

以下が本書の内容です(本書目次より)

はじめに
ギリシアの神がみについて
プロメテウスの火
パンドラ
デューカリオンの大こうずい
アポロンとダフネ
アポロンとヘルメス
ヘルメスとアルゴス
デメテールとペルセポネ
パエトンと日の神の車
ペルセウス
カドモス王
イアソンと金色のヒツジの毛皮
ベレロフォントとペガソス
エコー
ナルキッソス
アラクネ
ヘラとハルキュオネ
ミダス王
ヘラクレスの十二のぼうけん
テーセウス
ダイダロスとイカロス
オルぺウスとエウリュディケ
エロスとプシュケ

「トロイア戦争」と「オデュセウスのぼうけん」のお話のまえに
トロイア戦争
オデュセウスのぼうけん

あとがき
さくいん

愛憎あいまって…というなかなかシビアな場面もありますが、私にとってはどれも新鮮でした。
特に印象に残ったのは、ヘラクレス!とにかく強い!賢い!そしてちょっとわすれんぼう(笑)。個人的にはヘラクレスの十二のぼうけん譚が面白かったです。

神がみの名前は知っていても、その内実はあまり知らなかっのでとても楽しく読みすすめられました。日本の昔話がちらっちらっと頭に浮かびながらも、ギリシア人独自の発想の豊かさ・叡智を見た気がしました。

 


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