
今日、Rayさん宅でウェルフロートの素晴らしい進化を目の当たりにしました。
昨日、Rayさんから「トーレンス124とナグラのフォノイコBPSをLanciastさんが持って来るので聴きに来ないか?」とのお誘いがあり二つ返事でお伺いすることになりました。
Lanciastさんが持ってこられたトーレンス124Ⅱは非常にきれいな状態でEMTのアームに当然ながらEMTのカートリッジTSD?が装着されておりました。早速Lanciastさんが124を組み上げて試聴が始まりました。
比較するのはGyiroSEに装着されたXSD-15との比較です、フォノイコはレヴィンソンの内蔵タイプでスタートしました。アートファーマー・ジムホールのBIG BLUESから始まりオーディオファイルレコードやカルメンファンタジーまで
同じ状態のレコードを2枚使って切り替えての試聴でした。カートリッジが同じEMTである為か(XSDとTSD)思ったほどの違いが見られませんでしたので、今度はフォノイコを色々と繋ぎ変えての試聴とあいなりました。複雑なシステムですから、さすがのRayさんも困惑しながらの繋ぎ変えでしたが、決定的な違いは見いだせられなかったので124の試聴は休憩に入りこれもLanciastさん持参のEMTのモノラルカートリッジを聞かせていただくこととなりました。このカートリッジはEMTのオルトフォンが両方明記されており、オルトフォン製であることがみてとれます。初期の物でレア物であるらしく非常に高価だそうです。
ヤマハGT2000に装着されたオルトフォンと比べると随分優しい感じの佇まいの音がしています。このカートリッジは出力が1系統しかないのでプリアンプでモノラルを左右で分けての試聴でしたが、片チャンネルの方がストレートな音がする事が不思議でした。
一通りの試聴も終わり、時間もありましたので新しく改善されたウェルフロートを試してみようと言う事になり、ヤマハのGT-2000の下に使うようにセッティングが進みました。丁度足と足の間の腹の所にピッタリと収まったウェルフロートがとんでもない効果を発揮することはその時は誰も予想しておりませんでした。カートリッジはノーマルのオルトフォンSPU ClassicGです。Rayさんのいつもの順番で針を下ろしてからのスタートボタンでターンテーブルが回りだしました。レヴィンソンのL-32のミュートボタンを解除した瞬間に、信じられない光景が目の前一杯に展開されました。
もう、全く次元の違う音が広がっております。どこまでもスカッと抜けている音はベールを1枚も2枚も剥がした様に見通しがよく、1音1音が手に取るように明確に表現されて付帯音というものが全くありません。圧倒的なSN比です。今まで慣れ親しんできたオルトフォンの音ではありません。大げさな表現かも知れませんが今までこれ程までの変化を体験したことが無いぐらいの変化です。
確かにオーディオですから何をやっても音は変わりますが、どれか良いところがあれば反面良く無いところも現れてくることが多いのですが、今回のウエルフロートに関してはその危惧もありません。唯一、モノラルのカートリッジでモノラルのレコードを聴いた時は付帯音が無くなり、大きな塊でこちらの方に飛んでくるような迫力は薄れてしまいます。非常に悩ましいことです。
そのようなことをRayさんと話しておりますとLanciastさんが「SPUを裸にしたらこんな音ですよ!」と一言。そう言えば色々とチューンアップされて色々なブランドで発売されていますよね。それと今回の試聴はLanciastさんにとっては前回のリベンジと言う意味合いもあり内心ヒヤヒヤものであったようです。前回は初期のウェルフロートでの試聴でLanciastさんも自信満々で来られておりましたが、SNの改善はありましたが音が綺麗になった反面力が無くなってアナログの一番大切なものが欠落しているような音でした。特に私など全く駄目と評価しておりましたので、今回もいやな奴が居ると思われたに違いありません。
しかしながら、今回は今までの気になる部分が一掃されてある意味全くの別物と言っても良いような変化でした。これ程までの音が再現されるのでありますから、Ray邸のポテンシャルの高さと同時にオルトフォンのSPUの潜在能力の高さを思い知らされました。
ここまで来たらP-0の下にも装着しないで帰れません。力持ちのRayさんがP-0を持ち上げている間にウェルフロートを滑り込ませました。フィニッテエレメントのインシュレーターが取れなかったのでその下にウェルフロートという順番です。Rayさん曰く「CDの嫌な部分が全てなくなったような音」とのコメントが口をついて出てきました。ここでも圧倒的な解像度とSNが確認できました。この静けさは尋常ではありません。こんな音を聴かされたらもう後戻りできる訳ありません。その場で即決で置いていって下さいという運びになりました。
最近はP-0が余り活躍していないとのことですが、また明日から新しい発見が山のように確認できることでしょう。膨大なコレクションを聴き直さまければならなくなってしまうことでしょうね!
もうこれ以上進化はあるのか?と思わせるほどの完成度でした。
貴重な体験をさせて頂きまして有難うございました。
また、落ち着きましたら遊んでやってください。
宜しくお願いします。 PS 機器等に誤りがあればお許しくださいね!