舞台となっている町は、私が三月に越してきたこの町と似ていて
読み終わったあとに、妙に不気味な感じがしてしまい
ひとりではもう商店街の方に行けないんじゃないかと恐くなった
眠って起きるとそんな感覚もきれいに消え去っていて
昨日読んだこの本のことを思い出しながら書こうと思う
明かされなかった謎がある
私が理解できなかったといえばそうなのかもしれないが……。
常盤サクラとはいったい何者だったのか、リンカの影武者だったのだろうか
16歳だった、といった。三浦先生はすべてを知っているのであろう
リンカはこの町を好きじゃない、とはじめハルカに打ち明けたが
それがこの物語の真相ではないだろうか
この町を好きではないというリンカ、
ではどうしてタマナヒメとして町を守ろうともう何年も頑張り続けているのか
いろいろ大変なのよと言っていたが、この先リンカに救いは訪れるのだろうか
きっとそれは商店街、町の大人たちの圧力でもあるだろうし、
子どもであるリンカに背負わされているものは、
想像も絶するほどのものだったのだと思う
だからリンカは妙に大人びているし……
けれどとにかくリンカにはタマナヒメとしてこの町を救う必要があった
完全なるミステリというわけにもいかなかった
未来を予知する能力があるというタマナヒメ
リンカにもその能力があったのではないだろうか
それとも、私の読み落としか、すべてはママからの伝言であったのだろうか
だらだらと思うがままに書いていて、書きたいことがよくわからない
はじめ半分くらいまでは、民俗学とミステリの融合風だなあと思っていて
民俗学、個人的に好きなのですが
その好きな理由としては、日本の民話などには不思議な話が多いってことで
その、なんだかわからないけれどみんなこれを信じていて
こうして伝わってきたという流れ、いまに伝わる話というもの
その不思議さに惹かれるものがある
だからその、民俗学とミステリ、ふたつの好きなものが詰まったこの本を
私は手に取ってよかった!と思いながら読み進めた
この本では、主人公であるハルカが、
町に伝わるタマナヒメ信仰の裏側にあるミステリを紐解いていく
そもそも民俗学などは不思議なものではなく、
書物として遺っているものこそその不思議さを訴えるものであるが
すべては人間のなしえてきたもの。
言葉で説明できるようなものだったのである、
というのが今回のタマナヒメ信仰。
はじめ不思議なにおいがぷんぷんしていたこの本である。
恩田陸の球形の季節に似ているような気もした
すこしこわがりつつも、何がおかしいのか、
どう紐解けばいいのか、何が起こるのか、
わくわくしながらページをめくった。
途中から話しの流れがわかってしまい、なんとなく淋しい気もした
でもすべてをわかったわけじゃないから、と
続きが気になってつい最後まで読んでしまった
謎が残ってよかったと思う
謎が紐解かれていくのは、すっきりする反面
なんだかすこし、やっぱり淋しいのだ
特にこの、民俗学風ミステリである、この本の場合
そんな気持ちが強かった
米澤穂信作品は、思い入れがあるのがこのブログのURLにもなっている
「さよなら妖精」という作品である。
古典部、小市民の日常の謎シリーズも、
高校生の頃、とても楽しみにして読んでいた
どちらも軽く読めたというか、さわやかな作調だったので
わくわくしながらも続きがとっても気になるというわけでもなく
こんなに、はやく続きを!と思わなくていい作品だったと思う
今回読んだこのリカーシブルは、一転して何やら不気味な感じのする作調だった
そわそわというか、ざわざわというか、
読んでいるとこころが落ちつかなくなってくるような
そんな本、
そんな本が好きだったことを思い出しました。
夜中こわくなってねむれなくなっちゃいそうな本
お風呂に入るのが、こわくなってしまうような。
なかなか本のなかの世界から出てくることができず
文字ながら、夢中になってしまう本。
物語が読めて本当にうれしくて、
私に本があってよかったと思った、昨日でした。
本の感想というものを書くのは難しいですね
レビュー、書いてみたいと思っていましたが、うまく書けませんでした
これから本がまだ読めるようであれば、
このカテゴリーも続けていこうと思います
読んでいただき、ありがとうございました。