むかしばなし

お父さんにそう言われた。

ことがあったことを思い出した。

始めは高校のとき

修学旅行に行きたくない私に

行きたくないなら行かなくていいと言った。

学校に行きたくない私に

無理して行かなくてもいいと言った。

それまでは行け行けと言われていたので

驚いた。





二回目は、中谷さんのことがあったとき。

ちょうどお母さんとお父さんが埼玉の実家に来ていて
私も中谷さんのところから逃げるようにして行った。

そのときはもういろいろと限界だった。

前期の授業や課題は残っていたけど

宮城に帰りたいと言った。

そしたらお父さんはすぐにわかったと言って

状況のわからないお母さんに対して、

わかなは宮城に帰りたいんだってと言い

もっといるはずだった実家をすぐに出て

中谷さんちに荷物を取りに行った。車で。

中谷さんは私と映画に行く予定だったから

それが最後という約束で。

帰ってきた私に何時の映画でいい？と聞く

たぶんおおかみこども。

私は、帰る。と言った。

逃げるようにして荷物をまとめて

お父さんの車へ戻った。

そして私のアパートへ行って必要なものをとって

数学指導法のポートフォリオだけまとめて

教授のところに出しに行き

車へ戻った。

宮城に帰った。

それは２年生の前期。

帰ってから授業を受けていた教授にメールをした。

事情を話してわかってくれるひともいれば

やっぱり課題を出さないとだめだというひともいた。





それから三度目。


私がオーバードーズで入院して、退院したとき。

そのときお父さんとお母さんはたぶんかなしみに暮れていて
わかなをどうしても宮城に返したかった。

お父さんは、家で、好きなことをしなさいと言った。

長い休みだと思って好きなことをしなさいと。

おばあちゃんと畑でもしなさいと。

何年かかってもいいから通信で養護教諭の資格を取るのもいいと。







私は、これまで何度

いろんなことを諦めてきたのだろう

辞めてきたのだろう





情けなくて

消えたくなる




でもどうしようもなくて

文字をこうして綴ることしかできない


そんなことに意味などないのに

がんばらなくていい

誰かにそう言ってほしい

頑張らなくていいって

生きてるだけでいいって

それだけでいいんだって



もう、なにも、

がんばる必要なんかないんだよって

存在していることに

意味があるんだよって


ひとりでも大丈夫だよって

夜は眠らなくてもいいよって

、

つらいつらいつらいつらいつらいつらい





本を読んだ。

よくわからなかった。

知っていることが多かったし
抽象的な表現が多かった

ぱらぱら読んだのであまり憶えてないけど
見捨てられ不安や感情の激しさは一生つきまとうとか

治るって言ってたんじゃないの？

三十代で落ち着くと。





延々この感情に付きまとわれなきゃいけないの？

どこまでもひとりなの

もう一人の自分はどうすればいいの？

彼女は一生そこにいるの

彼女は誰からも理解されず愛されずに

一人で私が死ぬまで生き続けるの


なんだかもうよくわからない





いつもこうなる

向き合いたくない

つらい

しんどい

涙すら出ない


こんなの病気じゃない

ただの性格だったのでしょうつまり











私はこんなことなら続けたくない

周りを巻き込んでまで続けたくない

遺伝する確率が高いと書いてあった

絶対子どもは産めない

ようちゃんにもさゆりちゃんにも迷惑をかけるかもしれない

ごめんなさい

ごめんなさい生まれてきて





自分の子どもが私と同じ思いをするのなら…

考えるとぞっとする

自分がやっぱりこわい

どれだけ読んでもわからない

文字がうまく頭に入ってこない






私は何のために生まれてきたんだろう

人を傷つけるため

自分を傷つけるため

人を自分の混乱に巻き込むため

私は

私として生きていくのがこわい

私は

ちゃんとした自分になりたかった

それが、永遠になれないのなら

ずっと、

気晴らしをし続けて生きなければいけないのなら

大切な人がくるしむのなら












私は

私は





これ以上ひとに迷惑をかける前に

かなしい思いをする前に

人生に絶望する前に


終わってしまいたい・


おわらせてください








誰も助けられることはできない

ぜったいできない

くるしいおもいはさせたくない

させない











いつも自分が可愛かった

今も、そう。

けれどそんなことを続けていたら

ぜんぶ壊れてしまう

壊してしまう

もう、そんなのは

こりごりです

神さま。

You were here / BUMP

車輪が回って遠ざけていく

体と体遠ざけていく

鼓膜に残る耳鳴りと二人で

一人の夜に戻る



信じられないくらいにすぐ過ぎた

魔法の時間はすぐ過ぎた

頭の中は片付かないままで

枕まで帰る



君の声が聴こえたこと

まぶたの裏に光の記憶



まだ消えない　消えないよ

まだ輝いたままだよ

でもいつか消えちゃう　消えちゃうよ

こんなに

今こんなに　愛しいのに



あんなに体が叫んでいた

心臓が何か訴えていた

拾った紙ふぶき一枚

触れたら化石みたいに喋る



伝えたかったこと　伝わったのかな

伝えたかったことってなんなのかな

君の昨日と君の明日を

とても眩しく思う



出会えば必ずさよなら

そこから伸びた時間の上



また会いたい　会いたいよ

もう会いたい　会いたいよ

君がいるのにいないよ

君の昨日と明日に

僕もいたい



もう消えない　消えないよ

そこから伸びた時間の上を歩くよ

全て越えて　会いに行くよ

ばらの花言葉

2015年1月4日、伊藤くんに会いに行きました。

仙台駅23時10分発のバス。
遅刻しないように早足で歩いた。

バスは窮屈だったけれど、良く眠れた。
新宿に着いた。コートを着て、立ち上がろうとした瞬間
すこし悪心がして気を失った。
なんとなく、顔を覗き込まれて大丈夫ですかと
声をかけられたような気もするけれど
意識は飛び飛びでいつの間にか救急車が来てた。
なんてことだろうと思った。
迷惑をかけてしまうなと思って伊藤くんにライン。

診察を受けてなんともなくて、
きっと食べ物を食べてなかったことが原因で。
病院を出てすこしするまで、ぼーっとしてた。
こんなにはっきり意識を失ったことがなかったので驚いた。

サクラの治療のときは意識飛びそうになったけど
横になったら大丈夫だったな。。




そんなわけで、
好きな人に外科の診察に付き合ってもらうのは二回目で
スケートのときのことを思い出した。
保護者みたいに、私のそばにいてくれたこと。
伊藤くんもそうだった。
ずっと一緒にいてくれた。
ありがたかった。

小百合ちゃんはよく倒れてたと言っていたけど
こんなふうに倒れたんだろうか。
そのとき、まさしくんは心配したんだろうな。









ソラマチに向かう。
カードキャプターさくらの原画展。
とても楽しみにしていた。
原画はどれも綺麗だった。こまかかった。
かわいかった。もっといろんな衣装の桜を見たかった

少々人ごみにつかれてしまう。
他人の話し声がうるさい。
大きな声で話さなきゃいけないのが苦痛。
けれどなんとか全部見ることができた。
グッズも買えて大満足。
来て良かったと心から思いました。





それから、浅草。
浅草寺でおみくじをひく。
吉。
いいことばかり書いてあって喜んだけど
順番的にしたから二番目だったらしい

それでもうれしい。




バラをもらう。付き合ってくださいと言われる。
だいすきな河辺。
優しく陽が傾く午後。
雲一つない空。
影送りをして浮かんだふたり。
満ち足りていた。
考え事。
聞いてくれるやさしさがあって。
やっぱり河は空はきらきらとしていて
何も過不足ないとおもう。
ありがたいとかみさまに伝える。







それから、いつもの帰りたくない病が出る
困る私、困る伊藤くん。
帰った方がいいことはわかってる
でも、できない
できないできないできない
爆発しそうになる。
自分勝手の行動をとる。
伊藤くんは見捨てない。
ついてきてくれる。

安心した。

このひとはどこまでやさしいんだろう
どこまで私とこんな茶番を繰り広げてくれるんだろう

このひとはこのひとは…
なんて、
私のことを考えてくれているのだろう
なんて、ばかなんだろう

一緒に千葉に向かう。
私はしあわせだった。
このひととまだ一緒にいられることが嬉しかった
もっともっとお話ししたかったから。