金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ロシアの野望とウクライナ財政支援の重荷

2022年04月24日 | ニュース
 海外メディアによると、ウクライナのゼレンスキー大統領が米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が今日にもウクライナを訪問すると発表した。米国側はノーコメントだが。WSJもゼレンスキー大統領の話としてこのニュースを取り上げている。まず間違いのない話だろう。
 ウクライナの東部から南部で攻勢を強めるロシア軍に対し、ウクライナ軍は武器弾薬不足が顕著になってきたので、米国のトップレベルの高官が何らかの具体的な支援策を打ち出すものと思われる。それがロシア軍の軍事行動にどのような影響を及ぼすかは分からないが。
 幾つかの情報源によるとロシアの狙いの一つはウクライナの南のモルドバ(旧ソ連の構成国の一つ)の中のトランスニストリアというロシア語を話す住民の多い地域の併合を目指し、ウクライナ南部のオデーサへの侵攻だという。
 もしこれが本当だとすると、これから予想されるドンバスでの大部隊の戦闘の結果がプーチンの野望を挫くかどうかの重要な鍵となる。ブリンケンやオースティンもその覚悟でキーフに行くのかもしれない。
 ところでウクライナのシュミハリ首相は世銀のフォーラムでウクライナは毎月50億ドルの支援が最低5ケ月は必要で、破壊された国土の復興に6,000億ドルは必要だと支援を要請した。
 欧州復興銀行のトップは、第二次世界大戦後のマーシャルプランのような復興プログラムが必要だろうとコメントしている。
 基本的な疑問だが、プーチンはかなりの勉強家だという話だが、クラウゼヴィッツの戦争論は読んでいるのだろうか?
 クラウゼヴィッツの戦争論の神髄は「戦争という暴力をふるうのは政治的な目的を達成する」ことであり、「政治的目的の価値以上に被害が甚大になる殲滅戦争を避ける」ことにある。ただし現実の戦争では無意味な殺戮が行われるのだが・・・
 仮にロシアがウクライナを占領しても、ロシアの経済力では絶対にウクライナを復興することはできない。ということはプーチンの戦争目的は初期の段階で既に破綻していたと私は考えているのだが如何なものだろうか?

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海外旅行の準備はOneNoteで情報整理が便利

2022年04月23日 | デジタル・インターネット
 5月中旬にニューヨークに行く予定で準備を進めています。
 コロナ後はじめての海外旅行ですからいままで経験したことのない色々な手続きがあります。例えば出発時および帰国時のPCR検査やワクチン接種証明の取得。米国渡航に必要なESTAの申請などです。
 またUberの利用などこれまで以上に海外でスマートフォンを使うことも多いでしょうから、スマートフォンの海外利用に備えて「パケットパック海外オプション」(ドコモの場合)などを準備しておく必要があります。
 パケットパックについては基本的なことを押さえておきたいからドコモ店舗で説明を聞きたいと考えています。
 ところがドコモの窓口は完全予約制で予約が受け付けられるとQRコードが記載されたメールが来ます。
 今回旅行会社はHISを使っているのですがHISとのやり取りもほとんどメールで一部電話です。
 つまりメールやPDFでの資料がどんどん溜まっていきます。溜めることが目的ではなく利用することが目的(たとえば相手に提示する)で、時には紙にプリントする必要もあります。
 このメールやPDFあるいはクリップしたウエッブページを階層的に整理し使い易くするために私はOneNoteを使っています。
 OutLookのメールを簡単にOneNoteの送りたい場所に指定して送ることができるのも便利な機能です。


 
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間は間もなく135円に?!

2022年04月22日 | 投資
日本のことが海外メディアで話題になることはほとんどありませんが最近の円安はさすがに話題になっています。CNBCにウェルスファーゴセキュリティーズのアナリストがドル円レートは130円を超えて近い将来135円に向かう可能性が高いと告げたという話が出ていました。円は米ドルだけでなく、ユーロに対しても弱含んでいます。表面的な理由は目先の金融政策の違いです。インフレを懸念する連銀や欧州中銀は政策金利の引き上げに動きますが、日銀は緩和方針を維持し国債買いオペを続けています。
日本と米欧の金利差が円からドルやユーロへのお金の流れを引き起こしています。だが原因はそれだけではないと私は考えています。つまりいつまでたっても金融政策の支援がないと元気がでない経済体質や価格転嫁力が弱い産業構造に世界中の投資家が嫌気が差してきているのではないかと考えています。だとすれば恐ろしいことですが。

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ロシア軍の進撃を阻むドンバスの沼地

2022年04月22日 | ニュース
 このブログでも以前書いたがロシア軍がウクライナ東部つまりドンバス地方での進撃に手こずっているようだ。
 ロシア軍を手こずらせているのは、ウクライナ軍の抵抗だけではない。
 この地方特有の泥だ。ウクライナ東部は春と秋に年2回泥地状態になる。1812年にこの地に侵攻したナポレオンも1941年に侵攻したヒットラーもこの泥地に足を取られ結局敗退した。
 今回ロシアがウクライナ侵攻を開始した2月下旬はまだ大地は凍っていて重たい車両の移動が可能だったのだろうが、現在は氷が解けて泥沼になっているという。
 専門家によるとロシア軍の戦車などはこの泥沼を走行する能力を持っているという。ただし1台2台が通過するだけなら持ちこたえる泥地も繰り返し多くの重車両が通過し、轍が深くなると通過不可能になるようだ。
 つまりここでは1×10が10になるのではなく、2や3に、更に悪くするとマイナスになる可能性があるということだろう。
 CNBCの記事はこの泥沼をquagmire(沼地)と呼んでいる。なおquagmireには「苦境・窮地」という意味もある。
 ドンバスの泥地でロシア軍が窮地に陥る可能性が現実味を帯びてきたのではないだろうか?
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パウエル議長のタカ派より発言で債券金利上昇、株価下落

2022年04月22日 | 投資
 昨日米連銀のパウエル議長はIMF主催のパネル討論会で次回FOMCで0.5%の金利引き上げを示唆する発言を行った。
パウエル議長は、「私の考えではもう少し迅速に動くのが適切だと思う」「Front-end loading~先取手数料という考え方もあるだろう」と発言した。
 パウエル議長はこの後5月初旬のFOMCまで公的に意見を述べる予定がなく、0.5%の利上げはほぼ既成事実化したと思う。
 政策金利の引き上げが見込まれる中、決算を発表しているS&P500の企業の8割はアナリスト予想を上回る好業績を上げていて、米国企業のインフレに対する抵抗力の強さを示している。
 このため投資家が企業業績を評価した日は株価が上昇し、インフレや地政学上の懸念を高めた日は株価が下落するという構図が続いている。
 昨日は金利上昇懸念が重荷になった日ということだ。
 一喜一憂することなく、「疾風に勁草を知る」方針で臨みたいものだと思う。
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