CNBCのコメンテーターで投資家でもあるジム・クレイマー氏がCNBCに2つの記事を書いて投資銘柄を推奨していた。一つはチョコレートで有名なハーシーの株を買うと良いだろうというもの。
同社は価格競争力があるので、原材料の高騰を製品価格に転嫁できるのでインフレ時代でも利益率を維持できる可能性が高いというものだ。
もう一つの記事ではGARPを考えて旅行関連銘柄をピックアップしようという提案でエクスペディア、ブッキングコム、マリオットなどを推奨していた。
GARPというのはGrowth at Reasonable Priceの頭文字で成長性と割安性両方の観点から銘柄を選択しようという考え方で、典型的にはPEGレシオという指標を見るようだ。
これはPERを純利益の成長率で割って算出するもので、PEGレシオが1を下回ると割安、2を上回ると割高と判断されるようだ。
ちなみにハーシーのPEGは3.68とかなり高い。PEGを簡単に調べるにはGoogle検索にHershey PEGと入力して検索するとNasdaqのページでPERレシオとともに見ることができる。
ところでくクレイマーさんも一見矛盾したことを行っている。片方でPEGレシオを低いつまり成長性はあるけれど割安な銘柄を探せといい、一方ではPEGは高くても、価格競争力つまりブランド力のある株を買えと言っているのだ。
豊富な資金と長い投資期間があれば推奨するスペクトラムを全部買えるのだがそんな余裕のある人は少ないだろう。第一何でもかんでも買うということになれば個別に物色せず、インデックスを買う方が良いことになる。
もっともクレイマーさんのいうことを「人を見て法を説け」という一種の対機説法と考えておくのがよいかもしれない。
つまり手堅く安全性・安定性を重視するならこの時期価格競争力のある食品等の生活必需品をピックアップして、少しリスクはあるけれどコロナ終息による旅行需要の復活などにかけるならGARPを考えた投資を考えるということなのだろう。
ロバ売り親子にならないためには、自分が何のために投資しているのか?どれほどリスクを取れるのか?ということを考えることが現在のように不確実性が高まっている時は必要なのだ、と思う。