マイクロソフトの大型出資が発表されたことで、耳目を集めることが多くなった自然言語型人工知能チャットGPT。開発母体のオープンAIが試験版の無償提供を開始したのは、昨年11月末だったが、その実力は翌月米国医師免許試験の3部門すべてで合格したことで実証されている。
一方教育の現場では人工知能が生徒が自ら考える力を奪うとして禁止する声が上がる一方人工知能をてことして知的生産力を高めて欲しいと鼓舞する教授もいる。
WSJのProfessors turn to ChatGPT to Teach Students a lessonという記事は米国の教育現場における専門家や生徒の葛藤を紹介していた。
記事によると今月、オンライン講座プロバイダーのStudy.comが、18歳以上の学生1,000名を対象に調査をおこなったところ、3/4の回答者は学校のネットワークでチャットGPTの利用を禁止して欲しいと考えていたことが分かった。
一方回答者の48%は自宅でテストやクイズの回答を書くためにチャットGPTを使い、53%はエッセイを書くために使い、22%が論文にアウトラインを使うために使っていることを認めている。
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私が思うところでは、やがてこの議論は収束していくだろう。
どのように収束していくか?というとチャットGPTのような人工知能を活用して、より次元の高い成果物~たとえば人にインパクトを与える説明資料~をいかに効率的に生産するか?ということがメインテーマになるだろう。
日本でも最近リスキリングということが言われだしてきた。
おそらくチャットGPTのような人工知能を活用して、あらゆる分野で生産性を向上させる持続的な技術がリスキリングの中核になるはずだ。
では何がチャットGPTを効率的に使うスキルのかなめか?というとそれは、人工知能の能力を引き出す質問構成力であり、国語力や論理的思考力ということになる。これらの力は自分で磨かないといけないから、小さい時は人工知能を使わずに基礎力をつけ、次の段階では、人工知能をてことして使って生産性を高めるのが新しい時代に生き残るスキルということだろう。
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