先程インターネット上で産経新聞の「政府が年金照合費用を70億円と試算した」という記事が流れた。記事の中で政府は記録を修正するために手書き台帳と突き合せる費用は含んでいないというので全体で幾ら位かかるか見当がつかないとも言っている。
政府がいう70億円の内訳はプログラム開発10億円、年金受給者に照合結果と加入記録を通知する費用が50億円、年金を受給していない若者世代への通知費用が10億円だ。
ところが肝心の保険料を支払った人の記録を修正する費用が全く計上されていない。この費用は一体幾ら位かかるのだろうか?
以下のような前提で試算してみよう。社会保険庁の人(または委託を受けた人)が一人1時間に2件不一致の記録を修正することが出来ると仮定しよう。そうすると8時間働いて一人が16件の修正を行うことができる。
5千万件を16件で割ると3,125千件となる。政府は1年間で問題を片付けるといっているので3,125千件を1年間の実稼働日数250日で割ると1万2千5百人という数字が出てくる。これは1万2千人の人が不正な記録の修正に朝から晩まで専念して取り掛かるということを意味する。もし社会保険庁にそれだけの人員がいるとすると日頃それらの人は一体何をしているのか?という別の大問題がおきるだろう。
それはそれとしてこの人達のコストをどう見積もるか?仮に1日2万円1ケ月50万円として合計625億円である。
私はこの見積もりを大変甘いものだと考えている。というのはそもそも簡単に突き合せが出来ないから放置されていたデータを修正するのに1時間に2件という前提の置き方が甘いだろう。いくら社会保険庁だって簡単に修復できることならもっと前にやっているはずである。
次に1万人以上の人をこの案件に専属で張り付けるという仮定が甘いだろう。一日2万円のコストというのも甘そうだ。
以上考えると政府が発表した70億円の10倍以上のコストがかかりそうだということは簡単に推測が付く。余りにもお粗末なウソといわざるを得ない。
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