先週金曜日S&P500は約2年ぶりに高値を更新しましたね。
雇用環境が引き続き好調で、インフレ鎮静化の傾向にありますから、高値更新は時間の問題だったのでしょう。
でもWSJのStocks are at record highs, but things will only get harder from hereという記事を見るとこの先株価はドンドン上昇するというより、当面の天井が近いといったニュアンスがうかがえました。
その理由の一つは、景気に減速の兆しがなく、連銀の政策金利引き下げのペースが昨年末頃の予想よりスローダウンするだろうという見方が優勢になっていることです。
記事によると、金利先物市場では年初は年末の市場金利を3.85%程度と予想していましたが、現在では4.1%程度に上昇しています。
また3月のFOMCで政策金利が据え置かれる可能性は50%を超えると予想されています。
政策金利の引き下げがスローダウンするのではないか、という予想は先週ミシガン大学が発表した1月の消費者信頼感指数が高水準だったこととも平仄があっています。昨年11月61.3だった信頼感指数は1月には78.8に達しました。2カ月間の改善幅としては1991年以降で最大、ということです。
アメリカ経済や世界経済の観点からは、米国経済のエンジンである消費者の信頼感指数が高まっていることは歓迎するべきことですが、景気が良過ぎるとインフレ懸念が再燃します。
現在の株価水準はその辺りまで織り込みながら上昇を続けてきたとすれば、当面の天井が近いという判断は無難なものかもしれませんね。
ただし私は昨年までの高金利時代に金融商品に一時避難していた資金が株式市場に回帰してくるのでもう少し高値に向かうのではないか?と読んでいます。
日本では新NISAへの資金流入などが株価をもう少し押し上げる要因になりますね。