金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

分水嶺を歩く山旅~平標山から谷川岳へ

2017年09月26日 | 

私の山登りの一つのテーマは分水嶺を歩くことである。

もっとも山仲間の間でも分水嶺が話題になることは少ない。この前の土曜日(9月23日)から月曜日(9月25日)にかけて、谷川連峰の平標山から谷川岳まで主稜線を縦走したが、仲間にはこれが日本を代表する分水嶺だという意識はあまりなかったようだ。

日本を代表する分水嶺は日本海と太平洋を分けるものだ。写真は万太郎山から谷川岳を見たもので、左側(北側)の谷の水は日本海に流れ、右側(南側)の水は太平洋に流れる。

本州の分水嶺は津軽半島の竜飛岬から始まり、延々と南下し尾瀬を経由して、利根川源流で北上し、巻機山を経由して谷川岳につながっていく。谷川岳からは連峰最高峰の仙ノ倉山を越えて、平標山から三国峠へと続いていく。

分水嶺上の峰々総てに登山道がある訳ではない。尾瀬の至仏山から平が岳に至る部分などは積雪期でないと藪が深く歩けたものではない。

日本の分水嶺を踏破するなどというのは、夢物語のようなものだ。

とはいうものの歩き易い部分もある。谷川岳から平標山などはその代表格だろう。甲武信岳から金峰山にいたる奥秩父の主稜線も比較的歩き易い分水嶺だ。

分水嶺の右と左で顕著に様相が変わるとは限らない。谷川岳主稜線はシンメトリックな尾根で左右とも同じように切れていて、日本海側・太平洋側の違いが出ているとは思われない。

川端康成の小説では「トンネルを抜けるとそこは雪国」なのだが、山の上は冬になると一様に雪国で、大きな樹木の生育を許さない厳しい地形と気象が支配する世界だ。

それでも私は分水嶺を意識して山旅をしたいと思っている。山登りは何かテーマがあると楽しいからだ。

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解散総選挙、論点は「消費税」or「北朝鮮」?

2017年09月26日 | ニュース

安倍首相は9月28日招集の臨時国会の冒頭で衆議院を解散すると表明した。

日経新聞を見ると「消費増税が最大の論点」となっている。WSJは解散ニュースのサブタイトルにAbe bets voters will rally behind his aligment with Trump on North Koreaという文章を掲げていた。

「安倍首相は北朝鮮問題におけるトランプ大統領との提携を背景に支持が高まることに賭けている」という主旨だ。

さて総選挙の論点は「消費税」になるのか「北朝鮮」になるのか?

これは投票日までの北朝鮮の挑発度合いとそれに対する米国の制裁強化にかかわる点が多いので、この段階でどちらか?とは決めにくい。

「消費税」について安倍首相は「増税分約5.5兆円の半分を教育無償化などの『人づくり革命』にあて、半分は債務の弁済にあてる」と述べている。民進党の前原代表は「増税分の総てを教育無償化や負担軽減にあてる」と主張している。両党の主張は教育無償化等への配分額は異なるが、方向感は同じなので大きな対立軸になるかどうかは疑問だ。一方小池百合子東京都知事が代表に就任する「希望の党」は消費税凍結を打ち出しているので、こちらは対立軸がはっきりしている。

「教育無償化・軽減負担」は、通りの良い主張なので正面切って反対はし難いが、私は無償化の効果や無償化の対象範囲については多角的な議論がなされるべきだと考えている。

たとえば私は財政赤字が積みあがっている中「総ての幼児教育を無償化する必要があるのか?」という疑問を持っている。

つまり教育費を負担できる世帯には負担してもらうという考え方だ。もちろん無論教育費の負担が苦しい世帯には援助するべきである。

支援を必要とする世帯への幼児教育や妊産婦支援効果が、個人的なメリットを越えて、社会全体の経済活動の拡大につながるといった実証的な研究は既に米国で行われている。必要な教育支援は社会的投資なのである。

教育の無償化や負担軽減は精神論だけでなく、投資とリターンという一国のマクロ経済的視点からも判断されるべき事柄なのだろう。

高等教育も投資とリターンという視点から考える必要がある。しかし選挙戦ではそこまで突っ込んだ議論は展開されないだろう。

以上のことを総合すると「消費税の使途組み換え」はあまり突っ込んだ議論にはならず、北朝鮮に対する「圧力強化」を主張する安倍政権と「平和的解決努力」を主張する民進党に対して選挙民がどう判断するか?ということが焦点になりそうだ。

 

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