金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

友人のフェイスブックが乗っ取られた・・

2017年05月15日 | デジタル・インターネット

先週金曜日から世界中を震撼させている「身代金」を要求するランサムエア。日本でも被害が出ているらしい。

ランサムウエアとは関係ないと思うけれど、今日友人のフェイスブック(FB)が何者かに乗っ取られた。FBのメール・メッセンジャーで「今忙しい?」というメールが来た。友人は後輩の女性なので、そんなため口は使わないだろうと思い、ほっておいたら他の友人から「〇〇さん、FBが乗っ取られているようですよ」と警告のメールがきた。「今忙しい」に返事をするとラインの番号などを聞き出そうとしたそうだ。

まもなくFBを乗っ取られた友人から、「無事対策を終了しました」と連絡が入ったので、一件落着したが、コンピュータ・ウイルスにピリピリしていた時だけに人騒がせな話だった。

今日は念のため自宅のパソコンをウイルス対策ソフトマカフィーでスキャンし、ウイルス感染をチェックするとともに、再起動してウインドウズ(10を使っている)をアップデートした。

私はパソコンで作成する総てのファイルをOneDriveに保存している。OneDriveはクラウドサービスなので、万一パソコンがクラッシュしてもファイルを失うことはない。またパソコンがウイルスに感染しても、初期化することで、パソコンを現状に戻すことができる。初期化するとハードディス内のファイルは失われるが、OneDriveに「外だし」しているファイルは影響受けないので、気軽に?初期化ができる訳だ。

ランサムウエアのような大規模のウイルス問題が発生すると企業も個人もセキュリティ対策に真剣になる。

個人で一般的にできる対策は次のようなものだろう。

セキュリティ対策の基本はウインドウズのようなOSをベンダーがセキュリティ対策を更新する新しいバージョンにしておくこと。

定期的にパソコンを再起動して、ウイルス対策プログラムを更新しておくこと。

ファイルのバックアップかクラウド化でパソコンのハードディスクラッシュ対策を取っておくこと。

怪しいメールは開かずにゴミ箱に捨てること。

その中で私は「ファイルのクラウド化」は特に重要だと考えている。これはウイルス対策だけではなく、複数のデバイスからのアクセスというメリットの方が大きいと思うが。

もっとも私の顧問先ではクラウドサービスの一種であるDropBoxにウイルスによる被害が拡大しているとして、DropBoxの利用停止を指示していた。こうなってくると私のような素人には判断が難しい。

とにかく情報セキュリティについて考えさせられた一日だった。

 

 

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「捨てられる銀行2 非産運用」は中々熱い本

2017年05月15日 | 本と雑誌

先週日経新聞(ネット版)に「紀伊国屋書店大手町ビル店で『捨てられる銀行2 非産運用』が凄い勢いで売れていて入荷が翌週になりそうだ」という記事がでていた。

売れていると聞くと買いたくなるのが人情でさっそくアマゾンでチェックしたところ在庫があり直ぐ発送可能ということ。ただし電子版が少し安く売られていたので、電子本で読むことにした。電子本は人気絶頂でも売り切れることはないし、直ぐに読み始めることができるので楽だ。ただし添付されている「図」を余り大きくして読めないのが難点といえば難点だ(ただしこの本の「図」は多くない)。

大手町界隈でこの手の本がよく売れるのは、銀行・証券・生保などの本部・本店が集中しているからだ。筆者(共同通信 橋本卓典氏)も主な読者ターゲットを金融機関や資産運用会社の役職員においていると思うが、それだけで直ぐに12万部も売れるとは思えない。

資産運用業界の在り方に疑問を感じている一般消費者の方々も購入していると思われる。

読みだしてまず感じたことは「著者の資産運用に携わる金融機関を変えてかねばならない」という思いを熱く感じることだった。それは森信親金融庁長官の日本の資産運用を変えたいという思いが降臨したような熱い語り口である。

本のテーマは明解だ。それは顧客の資産運用に携わる金融機関はフィデュ―シャリー・デューティーを徹底しなければならないということに尽きている。フィデュ―シャリー・デューティーは従来「受託者責任」という訳語で語られていたが、金融庁は「顧客本位の業務運営」と再定義した。

具体的施策としては「手数料の開示」などが含まれるが、何よりもまず「金融機関が儲かる商品を販売するのではなく、顧客の資産運用目標に合った商品を販売する」という基本姿勢が大事だと本は主張する。

銀行や証券会社は投資信託や一時払い終身保険など金融商品の販売で手数料収入を上げることを目的としている。だからETF(上場型投信)など商品性は優れているが販売手数料や信託報酬の少ない商品より、コミッションが高いアクティブ投信に顧客を誘導するケースが多いと言われている。

この本でやり玉にあがっているのは、そのような金融機関でやがては「捨てられる銀行」になると著者は予見している。

私は概ね論旨に賛成である。だが金融機関が変わっていくためには「消費者が顧客本位の業務運営を行っている金融機関を選択する」必要があるが、これが中々難しいことに問題があると感じている。

その理由は「投資信託など商品の良し悪しが将来の運用成績に係るものを現在時点で評価することは難しい」という点が一番大きい。

過去の運用成績は重要な判断材料だが、将来のパフォーマンスを断言するものではない。

私はコアの投資信託の姿は「ノーロード(販売手数料なし)」で「信託報酬が低く」「世界の債券・株式にバランスよく投資」するものであると確信している。その一つの解答として現時点ではセゾン投信の「バンガード・グローバルバランスファンド」をあげたいと思っている。

この投資信託は銀行や証券会社では売っていない。セゾン投信の本社の窓口でも売っていない。買いたい人はネット等で申し込む必要がある。更には毎月積み立て型で銀行口座からの自動引き落としが主流になっている。

だが「ちゃんとしたビルディングの中の立派な窓口で買わないと不安だ」「ネット中心の取引では万一の場合不安だ」という人には向いていないだろう。

だが落ち着いて考えてみると銀行や証券会社の立派な窓口は誰が作っているのか?というとそれは消費者が払う販売手数料や信託報酬の中から支払われたお金で作られているのだ。したがって無店舗販売の方がローコストオペレーションを徹底できることは間違いない。

しかし一度限りの消費財はネットで買うことに抵抗を覚えない人も金融商品をネットで購入し長期保有することには、不安を感じるかもしれない。実際に店舗を見ないと安心できないという人もいるだろう。

ここに金融機関を選択する難しさがあるのだ。ブランドに頼るとブランドコストという形で見えないコストを払う必要があり、ブランドよりも実質(手数料等を差し引いた)リターンを求めると、一部の人には心理的な不安が高まるという問題だ。

金融機関は変わっていかなければならない。だが総ての商品やサービスが消費者の厳しい選択により淘汰されていくのと同じく、金融機関も消費者の選択で変革し、着いていけないところは淘汰されるというのが本筋なのだ。

だが「商品の見定めが難しい」ということと「大きくて立派に見える金融機関や身近にある金融機関が安心できる」といったバイアスが、捨てられるべき銀行を生かしているのではないか?と私は考えている。

 

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銀行窓口の合理化は進みそうだ

2017年05月15日 | ニュース

今日(5月15日)日経新聞朝刊に「銀行窓口 設置しやすく」という記事がでていた。

記事によると「金融庁は『銀行代理店制度』の規制緩和を緩める方針で、これまで代理店に銀行業務の経験者を配置することを義務付けてきたが、これを廃止し、百貨店・スーパー・コンビニエンスストアなどに代理店を広げる」という。

また今日の読売新聞朝刊は「三菱東京UFJ銀行で顧客が店員の手助けなしに様々な金融サービスを利用できる『セルフ店舗』を2030年までに150店以上設置する店舗計画案が検討されている」と報じていた。

KPMGは人工知能の活用などで「2030年までに銀行店舗は無人化される」という予想をだしている。米国の大手銀行バンクオブアメリカ(バンカメ)は今後1年間で無人化店舗を50~60出店すると発表している。

バンカメの無人店舗出店速度に較べると三菱東京UFJの出店ペースは遅いようにも見えるが、そもそも店舗の規模が違う。

バンカメの店舗は4,600弱あるというが、三菱東京UFJの個人向け店舗は665店舗だ(昨年9月末 読売新聞による)。

アメリカの銀行店舗は店舗は預金預入中心の小型店舗が多いので、無人化が進めやすい(と思われる)。一方日本の銀行店舗には外回りの営業マンが配属されている・貸金庫があるなど装備が重たく、無人化のペースは遅くならざるを得ないのだろう。

しかし漸く銀行窓口の合理化は本格化しそうな兆しを見せている。

その背景は・・・

  • スマートフォンなどによるインターネットバンキングの普及でわざわざ銀行に出向かなくても大部分の用事は済ませることが可能になった。
  • 公共料金支払いなどはコンビニエンスストアの窓口でできる。
  • ATMは銀行店舗以外にコンビニエンスストアやJR駅のVIEW ALTTEなどで簡単に利用できる
  • 窓口のテラー要員不足
  • 銀行の有人店舗削減によるコスト削減意欲が高い

 といったことが挙げられる。

また将来的には「銀行を使わない資金決済」(部分的には現在でもラインマネー間の決済などがある)も拡大する可能性がある。

色々な動きをリードするのは最大手の三菱東京UFJ銀行だ。その三菱東京UFJ銀行は「三菱UFJ銀行」に来年春から社名変更すると発表している。旧東銀関係者には寂しいだろうが、「東銀」が行っていた外国為替という専門業務がもはやコモディティ化したともいえるし、合併銀行が新しい時代に入ったことの象徴ともいえるだろう。

私は銀行窓口の合理化を基本的に歓迎している。窓口業務はもはやコモでティティ(汎用品)なのである。つまり車に入れるガソリンと同じだ。どこで手続きしても「答」は同じなのだ。ガソリンの無人給油が普及しているように銀行の窓口業務の無人化を進めて構わない。

そして無人化のコスト削減効果をを銀行のみが享受するのではなく、送金手数料などの手数料引き下げという形で消費者への還元を進めることが必要だと思う。

ただし預金者が高齢化している現在無人店舗に不慣れな高齢者への配慮は必要だが。

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