米国では新大統領が選ばれて100日間程度は「ハネムーン期間」と呼ばれ、議会やマスコミは厳しい批判を控える。それに習う訳でもなかろうが、野田政権の支持率は比較的高いレベルでスタートし、手厳しい批判より「実行内閣」への期待が高いようだ。
Loopy(バカ)と呼ばれた鳩山元首相は論外として、その後を襲った菅政権を特徴付けるとすれば、政治学者の御厨貴東大教授が言う「学級会政治」という言葉ピッタリである。つまり色々討議はするが具体的施策は打ち出せず何も進まない。議論やプロセスが目的化しているという点で学級会政治と呼ばれる所以だ。
企業であればこのような会社は衰退しやがて滅びてしまう。目まぐるしく変わる環境や消費者のニーズの変化の中で、企業は常に確信を持って最適解を得られている訳ではない。幾つかのリスクを抱えながらその時々でベストと判断することに邁進する企業だけが生き残ることができる。ここ数年の日本にはこの緊張感がなかった。
野田政権が短命で終わらないためには、この失望感を国民に抱かさないことだろう。
「どじょう」演説ですっかり有名になった野田首相だが、どじょうは英語でloachという。ところがLoachのLがRに替わってroachとなるとゴキブリになる。ゴキブリ取りの商品名でコックローチkockroachというのがあるが、roachもkockroachも同じ意味で「ごきぶり」。
野田政権が「どじょう」で終り、Rのローチと呼ばれないことを期待している。