goo blog サービス終了のお知らせ 

金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

日本の失速、ドイツの加速

2010年08月17日 | 社会・経済

昨日(8月16日)内閣府は今年4-6月期の実質成長率は前期比率で0.4%と急失速。一方少し前に発表されたドイツの第2四半期のGDP成長率は2.2%(年率換算9%)と急加速。エコノミスト誌はドイツ経済は総てのエンジンが稼動し始めたと紹介している。

このドイツのGDP成長率は統合後一番高い数字である。ドイツの経済成長のエンジンは輸出特に新興国向けへの輸出と企業による国内設備投資だ。高級車メルセデスの中国向け販売は6月までの1年間で3倍になり、インド向けは2倍以上になっている。他の自動車メーカーフォルクスワーゲンやBMVも好調だ。(皮肉なことに今年メルセデスの販売が落ちている数少ない国の一つにドイツが入っている。)

企業業績の改善は雇用改善に結びついている。不況時に企業は労働時間短縮とフレキシブルな勤務形態で対応してきたが、フル稼働に戻りつつある。また失業率は金融危機が始まった時よりも低下している。

ユーロ圏の経済成長率はドイツと経済的な結びつきが強く恩恵を得ているオランダ、オーストリアなどの高成長国とギリシア、ポルトガル、スペインなどに二分化している。

ドイツの加速と日本の失速。高々一四半期のGDP成長率の差をもって大げさに論じるべきではないかもしれない。ユーロ安と円高の差が明暗を分けたとも考えられる。ドイツはユーロ圏の弱い国を踏みつけて高い経済成長を実現したという見方もある。しかし2003年頃からドイツが進めてきた経済構造改革プログラム(アジェンダ2010)の効果が出てきたとも考えられる。構造改革の一つの柱は解雇保護制度の緩和などの柔軟な労働市場の実現だ。

ドイツのことはもっと勉強するべきだと私は考え始めている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする