ファイナンシャルタイムズ(FT)によると、海外の割安株ファンドが日本の落ちぶれたサラ金株を購入しているということだ。落ちぶれたの原語はDown-in-outだが、これはノックアウトされたボクサーという意味もあるので相当激しく弱っているという意味だ。では海外のファンドはどの様な成算があって弱りきったサラ金株を買っているのだろうか?
以前からリップルウッドやサーベラスなど外国のファンドが大胆不敵に日本の破綻した金融機関や会社に投資して大儲けをしたことは周知のとおりだ。
今回サラ金に投資しているのは、投資経験豊かな米国のファンド、ブランデスBrandesなどだ。Brandesはヴァリューつまり割安株ファンドとして著名で米国のみならず海外の割安銘柄もピックアップしている。例えば日本では小野薬品の株を買い一株7百円の配当要求を出している。
Brandesのホームページを見ると、Compelling bargains are often overlooked in equity market, this is our mission to take a advantage of these bargains.という創業者ブランデスの言葉が出ていた。
訳すると「説得力があり納得がいく割安銘柄が株式市場ではしばしば見過ごされている。これらの割安銘柄を利用するのが我々の使命である。」というところだろう。
このブランデスが武富士株の8.7%、アコム株の5%を購入している。またトレードウインドとCundillがアコム株をそれぞれ9%、3%購入している。これらもヴァリューファンドだ。
サラ金の上限金利引下げ問題がでる前にGEやシティが日本のサラ金への投資や融資で大儲けしたことは周知のことだ。しかし今回はその時と事情は違い、サラ金業界には強烈な逆風が吹いている。その中での株式購入だ。ブランデスなどのファンドはサラ金株を売られ過ぎと判断したのだろうか?
彼等の洞察力を信ずるならばチョウチンをつけるのも一手かも知れない。サラ金はさておき小野薬品などは面白いかもしれない。