追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

アメリカ白人社会の素顔……(4)

2017年02月18日 | 文化・文明
トランプの危険な外交交渉…其の二
トランプは同盟国を罵り中国を挑発しロシアやイスラエルに接近するかとおもえば、明確な説明もなく簡単に前言を翻す。
自己の知識・判断力のレベルに対する認識が欠落しており、具体策のない自己の発言に対して一切責任を負わない。アメリカの心理学者が「加虐性、偏執性などを含む悪性ナルシスト」と評したそうだが幸か不幸か永い人生でこのような人物に遭遇した経験がない。

日本やNATOその他の同盟国に対し米軍駐留経費増額に応じなければ米軍を引き上げると叫んで世界を驚かせたが海外に駐留する十数万人の帰還米軍の失業対策をどうするのか。雇用増大こそ選挙公約最大のセールス・ポイントではないのか。
メキシコ国境に壁をつくりメキシコにその費用を払わせると脅かして白人労働者の喝采を浴びたが、メキシコ大統領の予期せぬ強気の反撃に遭い腰砕けとなってしまった。 メキシコの不法移民は安い労賃に依存するアメリカ側の雇用者のニーズによる処が大きいことが分かっていない。又白人労働者は不法移民に代わって彼等が行ってきた誰もが嫌うダーテイーな仕事が出来るのだろうか。

更にアメリカの対メキシコ貿易赤字は600億ドル、メキシコと下手なNAFTAの交渉をした為でその分雇用がメキシコに流出してしまった。交渉の上手い自分がメキシコとの交渉をやり直し失った雇用を取り戻すと息巻いている。
しかし両国間の産業には複雑なサプライチェーンが出来上がっていてそれを解消するには多大の費用・労力に加え場合によっては両者共倒れの危険性もあり、その皺寄せが消費者に多大の負担となってのしかかる可能性が大きい。
メキシコ輸出の80%はアメリカ向けだがその内40%はアメリカ製の部品である。
メキシコ産(世界最大産地国)アボガドのような単純な輸入とは全く違って居り輸入を減らす為関税を課せばよいというような単純な話ではない。(車の場合はメキシコ・カナダ・アメリカ間で部品や組み立てが分散され複雑な多国間サプライチェーンが出来上がっている。
エネルギーも同様、アメリカはメキシコから多量の原油を輸入し、一方アメリカで精製されたガソリンの最大輸出先はメキシコである。又メキシコ向けシェールガスの輸出が急増しており、2019年迄に両国パイプライン輸送容量を倍増させる計画が進んでいる。
トランプはシェールガス開発の促進を明言しておりこの問題をどう解決するのだろうか。



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