レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

サクラナ外伝フォー「悪戯な神様?やさしい神様」

2015-06-27 06:03:01 | 小説

サクラナ外伝フォー「悪戯な神様?やさしい神様」


 「おー、
 終わっただすよ...
 こんな日に限って、
 今までで一番多くお客さんが来るとはだすなあ。
 しかも、全部、僕のお客さんだすからなあ。
 神様も悪戯好きだすよな。
 もう、くたくただすよ...」
 結局、近所の小学校の授業参観が明日
ということで、それを親に伝えていなかった子供がたくさんいて
次から次へとやって来たのだった
 しかも、よりにもよって、それが、全部、あおむの客だったばかりに、
寝ているはずのサクラナを呼び出すわけにも行かず、
その日は予約がまるで入ってなかったにもかかわらず
12人もの子供の頭をカットするはめになった、あおむは、
最後の親子が帰った後、後かたづけをする前に、
店の奥のソファーに座り込んだのだった。
 「あほ!」
 ウメナの方は助手と言っても道具をセットするだけだったので、
たいして疲れていないのか、
 それだけ言って、あおむに店の冷蔵庫に入っていた缶コーヒー
を手渡したのだった。
 「おー、ありがとうだす。
 昼飯も飲み物も抜きだっただすからなあ。
 ウメナは、
 こっそり食べたり、飲んでいただすから、
そんなに元気なんだすなあ」
 「あほ!」
 ウメナはにこっと笑うと、
ソファーのそばの上に突然の来客で置きっぱなしになっていたあおむの携帯電話
を指さした。
 「おー、忙しかったおかげで、
 おじさんやタマキさんの心配事忘れられていただすなあ。
 もしかすると、
 神様の悪戯ではなく、やさしさだったんだすかなあ。
 あっという間にもう夜だすからなあ」
 あおむがウメナの笑顔から察したことをぶつぶつ言うと、
 ウメナはレジの方を指さしてから、
またニコッと笑って、
 「寿司!」
とだけ言った。

(続く)



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