レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

カミサン伝説20「ハッピー編」290

2011-01-31 01:10:17 | 小説
カミサン伝説20「ハッピー編」290

  ちなみに、
以下、途中までグーさん以外に保管してます。
カミサン伝説20「ハッピー編」

寿司屋に勧められて、
大男と女がカウンター前の椅子の腰掛けると、
「本当に恐縮です。
隣に座っているのが、
夏目龍之介で、
私がその妻の夏目マジメと申します。
これが主人の名刺です」
マジメは龍之介の名刺を寿司屋に両手で手渡した。
「随分、立派な名前だな。
それに、
えっ?
専務?
○○株式会社て言えば、
すげえ大きな会社じゃないか?
人はみかけによらねえな」
「あんた!」
寿司屋が失礼なことを言ったので、
その妻秋子が大声を出して、見えないところで足を軽く蹴る。
「いえ、そのとおりなんです。
会社は、
私の父の経営する会社なんです」
「うーん。
でも、すげえじゃないか」
「俺も結構仕事はできるんだな」
「あなた」
今度はマジメが龍之介の足をそっと踏む。
「で、そんな会社のお偉いさんご夫婦が
うちに何のようだい?」
「実はおいしいお寿司を探してまして」
「おいしいお寿司?
そんなのそちらさんみたいな会社だったら、
いくらでも知ってんだろう」
寿司屋が不思議そうな顔をして言う。
「それが、
ダメなんです。
実は今度身内だけで、
母の還暦祝いをするんですが、
母に食事が何がいいかって聞いたら、
おいしい寿司って答えたんです。
それで、
父も主人も、
仕事柄、
あちこちでお寿司を食べ慣れているんですが、
父は味音痴なんで、どうでもいいんですが、
この人が、
寿司はまずいところしか行ったことがないから、
ちゃんとおいしいお寿司屋さんを探せ
って言いだしたんですよ。
で、
いくつも二人で回ったんですが、
私はそれなりにおいしい
とは思うんですが、
この人がダメだって言って、
お店が決まらないんです。
実は、
この人、
カレーが大好物なんで、
多分、味がわからない」
「違うぞ!
俺はおとうさんとは違う。
うまいものはうまいってわかるんだからな。
カレーだって、
俺はあのオヤジさんのカレー以外は食わないんだからな!」
マジメが話しをしていると、
ムキになった龍之介が興奮気味に口を挟む。
「二人とも、落ちついて、それで、どの寿司屋を回ったんだい」 
寿司屋は笑いながら、
マジメから二人が回ったという寿司屋の名前を聞いた。
「全部、マスコミで有名なところばかりじゃねえか。
でも、まずかったのかい?」
「オヤジ!
そうなんだ!
高い割にちっとも旨くねえ」
「あなた、その口の利き方!」
「あー」
「おもしれえ、旦那さんだな。
で、ここに来たわけかい?」
「はい。
私の知り合いがこちらのお店は特別だ
って、教えてくれたもんですから」
「これで何度目だよ」
「あなたは黙っててよ」
「二人とも、落ちつきなって。
こちらの旦那さん、魚が嫌いなんじゃないか?」
「俺は違うぞ!」
「あなた!」
「そうか、すまなかったな」
寿司屋と龍之介夫婦がそんな話しをしていると、
ハルカが春美とチンタにこそこそ話しをしだすと、
チンタが店の奥に行ったのだった。
(続く)


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