クリスマス企画試作晒し「獅子唐女」「獅子唐男を探せ!」
「それにですね。
まだ、見つけたかの確約までは」
「もちろん、
それはもうわかっておりますわ。
私の表現が不正確でしたね」
「いえ、そんな。
とにかく、がんばって、
獅子唐男を見つけて、
とっつかまえて来ますから!
では、そうですねえ?
入浴時間とか、
着替えの時間も考えて、
1時間以内にはその獅子唐男を」
「たった1時間で、ですか?」
「男の場合はそんなもんですよ。
化粧も必要ないですからね」
「あら?
私、厚化粧に見えます」
「いえいえ。
例えです。
あー、妹さん。
念のため、
お名前
を教えていただけないですか?」
「あー、すいません。
私、
宮崎はるかと申します」
「綾瀬さんが、
名字じゃないんですか?」
「いえ、
綾瀬は姉の芸名。
姉の本名は、
宮崎貞子です」
「あやさんと違って、
古くさい名前ですね」
「父があるベテラン女優のファンだったらしいので。
私の場合は、
母がつけてくれたんです」
「センスのあるおかあさまですね」
「いえ、平凡すぎて」
「そんな、
凄く素敵なお名前ですよ。
なっ!」
「は、はい、そうですね」
二人の男のうち、
ひとりの男はその名前を聞いて、
何かイヤな予感がしたのだった。
(続く)
「それにですね。
まだ、見つけたかの確約までは」
「もちろん、
それはもうわかっておりますわ。
私の表現が不正確でしたね」
「いえ、そんな。
とにかく、がんばって、
獅子唐男を見つけて、
とっつかまえて来ますから!
では、そうですねえ?
入浴時間とか、
着替えの時間も考えて、
1時間以内にはその獅子唐男を」
「たった1時間で、ですか?」
「男の場合はそんなもんですよ。
化粧も必要ないですからね」
「あら?
私、厚化粧に見えます」
「いえいえ。
例えです。
あー、妹さん。
念のため、
お名前
を教えていただけないですか?」
「あー、すいません。
私、
宮崎はるかと申します」
「綾瀬さんが、
名字じゃないんですか?」
「いえ、
綾瀬は姉の芸名。
姉の本名は、
宮崎貞子です」
「あやさんと違って、
古くさい名前ですね」
「父があるベテラン女優のファンだったらしいので。
私の場合は、
母がつけてくれたんです」
「センスのあるおかあさまですね」
「いえ、平凡すぎて」
「そんな、
凄く素敵なお名前ですよ。
なっ!」
「は、はい、そうですね」
二人の男のうち、
ひとりの男はその名前を聞いて、
何かイヤな予感がしたのだった。
(続く)