レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

新サクラナ外伝第2章「あおむの下手な嘘とおしゃべりウメナ」

2010-09-19 00:13:05 | 小説
新サクラナ外伝第2章「あおむの下手な嘘とおしゃべりウメナ」


 第一話は下記から始まります。
 
 新「サクラナ外伝」「プロローグ」
   

 ユリカの部屋から戻ってきたサクラナとタマキは、
早速、あおむを問いつめることにした。
 「ユリカはどうだっただすか?」
 「うん、まあ」
 「おー、たいしたことはないんだすな?」
 「さあ?もう夕食は作れないかもしれないわよねえ、
タマキ」
 「そうねえ?」
 「おー?」
 「ねえ、あおくん、
今日の昼、何を食べたの?」
 あおむは少し考えてから、
 「えーと、肉なしチャーハンだすよ。
 な、ウメナ」
 「あほ!」
 「そう、肉なしチャーハン?
 本当?」
 サクラナがあおむの目を見つめると、
あおむの鼻がひくひくし、
あおむは視線をそらせる。
 「で、あおくん、
チャーハンには何を入れたの?」
 「うーん。玉子とネギだけだすが、
結構、いけるだすよな。ウメナ」
 「あほ!」
 「そーう?」
 サクラナが話している間に、
タマキがキッチンへ行ってから、戻ってきた。
 「あおくん、玉子の殻とネギの切れ端は?」
 タマキが訊くと、
 「うーん。おー、捨てただすよ」

 あおむがタマキの目を見ず、
そう答えると、
 「捨てた?昼でしょう?どこに?」
 「うーん?どこだっただすかなあ」
 「じゃあ、ウメナ、
あんた今日の昼何食べたの?」
 ウメナがそっとあおむの方を見たので、
 「だすから、
 肉なしチャーハンだすよなあ」
 「あほ!カレー」
 「えっ?」
 「あほ!」
 ウメナが慌てて、言い直す。
 「ウメナ、その前に何て言った?」
 「あほ!カレー」
 ウメナはそう言って、俯いた。
 「あおくん、
 ウメナはカレーを食べたみたいよ。
 カレー味のチャーハンなの?」
 「おー、そうだすよ。
 な、ウメナ」
 「あほ、カレー!」
 「あおくん、
カレー粉はどこにあるの?」
 「あー、えー...」
 「あおくん、嘘言うじゃないの!」
 「もうバレてんのよ!
 肉なしチャーハンなんて、
作ってないでしょう。
 作っていたら、
三角コーナーに玉子の殻くらいあるでしょう。
 それに、
フライパン使った形跡なかったわよ!」
 タマキがはっきり言うと、
 「あほ、カレー!」
 ウメナがそう言って、頭を下げた。
 「ウメナ、
内緒の約束だったじゃないだすか」
 「あおくん!」
 「あおくん!
 あたしたちが、
 午前から店のときは、
 外でカレー食べてるのね!
 何で、正直に言わないで嘘ついたの!
 ユリカさんはそれで泣いてんのよ!」
 タマキとサクラナに睨まれたあおむは、
 「おー、そうなんだすか?
 だすが、僕らに悪気はないし、
 ユリカは関係ないんだすよ」
 あおむはそれだけ言うと俯いた。
(続く)



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