レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

本編リメイク「小部屋の奥」

2011-07-19 23:47:39 | 小説

本編リメイク「小部屋の奥」

 「やっただすなあ!」
 あおむが思わず声をあげると、
 「でも、奥は真っ暗だぞ」
と、
 木太郎が開いた扉の奥を覗き込むようにして言う。
 「うーん?
 この小部屋までは照明がつくだすのに、
奥は真っ暗だすかあ」
 あおむが首を捻ると、
 「だから、小部屋の照明の電気は
地下からとっているんだよ。
 で、この扉のオートロックとその先は
屋敷の一階から電気をとっているんだろう」
 「だすが、真っ暗というのは、
屋敷が燃えていないということだすかな」
 「だから、小部屋があるんだろう」
 「いいから、奥へ行けよ!」
 あおむとエイタがそんな言い合いをしていると、
 木太郎が二人のことを押すようにして、
扉の外へ出るように言う。
 「懐中電灯でもあればいいだすがな」
 「まさか、ここがキッチンだと思わせて、
この先に落とし穴なんてないよな」
 あおむもエイタも、
 小部屋からの灯りが照らす範囲しか
見えない扉の先の暗闇の奥に進むのを躊躇した。
(続く)



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