レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

「そして3人しかいなくなった?」324

2013-08-22 08:08:11 | 小説

「そして3人しかいなくなった?」324



 「絶対時計?」
 みつるが虎之助少年の大きな声を聞いて、
思わず訊いた。
 「はい。凄く高い時計なので、
 僕もまだテレビでしか見たことありませんが、
絶対時計に間違いありません」
 虎之助少年は、
 みつるが絶対時計とはどういうものかを聞きたいのに、
 そんな答えをした。
 「虎ちゃん、
 何か高価時計で珍しい時計だ、
ということはわかったんだけど、

 絶対時計

って何なの?」
 マルナがたけるの持っていた時計を
じっと物欲しそうに見ている虎之助少年にやさしく訊いた。
 「ああ、すいません。
 つい...
 絶対時計とはいうのは、
 水の中でも、
 どんなに寒いところでも暑いところでも使えるのはもちろん、
 時差があっても、
 その場所を自動的に感知して、
 正確な時間をその場所の時間に一瞬で修正して表示する時計です。
 しかも、
 素材が凄いものらしく、
 100階建てのビルから落としても、壊れないと宣伝されてました。
 普通は最初は時間を自分で合わせないといけませんが、
 絶対時計は自動でその場所の時間を正確に表示するらしいです。
 ですから、
 絶対時計なんです。
 でも、
 同じ電池が使われていたとは...
 あー...
 おにいさんが大切に持っていたんですから、
 僕のいた世界のように、
 子供やおにいさんたちの年齢ではもてない程、
 とんでもなく高い時計ではなく、
 おにいさんたちの世界では大事なものでも、
 実物を見れないほど、珍しくもないんですよね。
 それに違う名前なんですか?」
と、
 虎之助はよほどその時計の実物を見て嬉しかったのか、
 少し興奮しているらしく、
 彼らしくなく早口でしゃべりまくったのだった。
 マルナやタケは虎之助の話を聞いて、
 虎之助少年の世界では、時間の単位が違うことがわかると共に、
 それほど興奮する程の内容ではないと思っていたが、
 「そう。凄いわね」
 「そうですね」
と口では言った。
 が、
 リカだけは、
 「だから、
 体感時間に左右されなかったんですね。
それに今回止まってしまっても、
 狂ったことは一度も無かったですよね」
と、
 ひとりだけ、その時計の凄さを理解したのか、
 たけるからその時計を受け取って、
 まじまじと見直していたのだった。


(続く)



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