「そして３人しかいなくなった？」７７９

「そして３人しかいなくなった？」７７９


　「あのー、桃ちゃん、人種って人の種類のこと？」
と、
　エミがようやく気づいたのか確認するように、
その桃太郎という奇妙な生き物に訊くと、
　「はい、そうです」
とだけ、
　桃太郎が答えると、
　「なら、エミはまだ２０くらいかなあ」
と、
　これまた、秀吉たちが驚くような発言をしたのだった。
　「エミちゃんも２０知ってるの？」　
　思わず、虎之介がそれだけ言うと、
　「おにいちゃんたちは？」
と、
　エミが逆に虎之介に聞き返したので、
　虎之介は秀吉たちの顔を見ることなく、
　「今回で２つだけかな」
と、
　頭を掻きながら正直に答えると、
　秀吉たちも、
　「同じく」
　「恥ずかしながら」
　「うん」
とだけ、俯き気味にそれだけ言うと、
　勘のいい、
　奇妙な生き物桃太郎は、
　「じゃあ、僕が２番目なんですね」
と驚いたように言ったのだった。

（続く）